LINEは10月5日、スマートスピーカー「Clova WAVE」の発売を開始した。昨今話題になっているスマートスピーカー製品だが、比較的単価も安く、単独で大きな利益が見込める製品ではない。一体どのようなビジネスモデルを描いているのだろうか。

赤外線リモコン+ラジオで実用性アップ

「Clova WAVE」は、今年1月に発表され、9月に先行販売を開始していた製品だ。簡単に言えば「スマートフォンの頭脳を搭載したスピーカー」と言える製品で、音声入力によって起動し、音楽配信サービス(Clova WAVEの場合、LINEミュージック)を流したり、メッセージの送受信、天気やニュースの読み上げ、赤外線リモコン機能によるTVの電源オン・オフなどが行える。

本体価格は1万4000円(税込)だが、LINEミュージックの1年間利用権がセットになった「Clova WAVE + LINE MUSICセット」が1万2800円で、2018年1月末までの期間限定で販売される

先行販売モデルからの違いとしては、Clova WAVE専用のLINE家族アカウントを作成して、そのアカウントを通じてメッセージの読み上げや送信が行えるようになる。例えば外出先の父親に「帰りに洗剤買ってきて」というメッセージを、Clova WAVEから送れるようになる(受信側にはClova WAVEからのメッセージだとわかる)。逆に父親から「今日は遅くなる」というメッセージがClova WAVE側に届き、リビングにいる全員が聞ける、ということもできる。

ちょっとわかりづらいが、Clovaに割り当てられたアカウントとLINEのメッセージをやりとりしているところ。共有機器では家族の誰のアカウントを使うかが問題になりがちだが、うまくクリアしている

今後は、赤外線リモコンの電灯やエアコンへの対応、声による話者の識別、音声の翻訳、カレンダーやメモ機能、ショッピングやデリバリーへの注文、タクシーの配車などを音声から行えるようにする予定だという。

またラジオの再生(radiko提供)や鉄道の経路検索・運行情報(ヴァル研究所、レスキューナウ提供)、童話の朗読(アイフリークモバイル提供)など、サービスパートナーとの連携による機能も随時提供される。

なお、先行販売販売モデルについても、ソフトウェアのアップデートで製品版と同等になる。