10月10日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2017年9月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同年同月同期の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では648件/1043億7800万円、商工リサーチの発表では679件/1158億200万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2017年9月の全国企業倒産の件数は648件で、前月比では2.7%減少したが、前年同月比では4.2%の増加となり、3カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は1043億7800万円と、前月比で17.6%、前年同月比でも12.1%増加し、3カ月ぶりの前年同月比増加となった

倒産の件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、7業種中5業種で前年同月を上回った。これらのうち、サービス業(161件、前年同月比14.2%増)は2カ月連続、製造業(84件、同16.7%増)と不動産業(25件、同13.6%増)は3カ月ぶりの前年同月比増加となった。一方、小売業(125件、同11.3%減)、卸売業(88件、同3.3%減)の2業種は前年同月を下回った。

地域別では、9地域中5地域で前年同月を上回った。これらのうち、近畿(183件、前年同月比18.1%増)は5カ月連続の前年同月比増加となった。一方、東北(23件、同14.8%減)は4カ月ぶり、関東(221件、同0.9%減)は2カ月連続で前年同月を下回った。3都府県では、愛知県は2カ月連続で減少も、東京都は8カ月連続、大阪府は5カ月連続でそれぞれ増加した。

東京商工リサーチの調査結果

2017年9月の全国企業倒産件数は679件で、前年同月比4.6%増(30件増)で2カ月ぶりに前年同月を上回った。3月以降の月次倒産は前年同月比増加(3月、5月、7月、9月)と減少(4月、6月、8月)を繰り返す一進一退で推移しているという。

対する負債総額は1158億200万円で、前年同月比36.1%増(307億3,900万円増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。ただし、負債1億円未満は504件(構成比74.2%)と全体の7割を占め、依然として小規模企業の倒産が主流であることに変わりがないという。

上場企業の倒産は、東証2部と名証2部上場の郷鉄工所(岐阜、負債55億2,000万円、取引停止処分)が1件発生した。上場企業倒産は、6月の東証1部上場のタカタ(負債1兆5,024億円、民事再生法)に次いで今年2件目。

企業倒産月次推移 資料:東京商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の10産業のうち、5産業で前年同月を上回った。前年を上回った産業は、サービス業他、運輸業、情報通信業、建設業、卸売業で、農・林・漁・鉱業と金融・保険業は前年同月と同数だった。

地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、5地区で前年同月を上回った。前年同月を上回った地区は、近畿、中部、四国、関東、北陸だった。