HEIFとHEVC自体は、必ずしもApple独自のフォーマットではない。Microsoft傘下のNokiaが提唱した経緯もあり、Appleをきっかけに今後多くの企業が採用していくことになるだろう。

ただし、iPhone 8とiOS 11が登場したばかりのタイミングでは、不都合が生じる可能性が高い。

iOS 11のカメラでHEIF/HEVCでの写真・ビデオ撮影を行ったとしても、メールやメッセージアプリなどで他の人に送信する場合は、相手の環境を考慮して、自動的にJPEG形式などに変換される。例えば、iOS 11搭載のiPhone 8から、iOS 10が動作するiPhone 7にAirDropで写真を送信しようとすると、まず写真の変換が行われてから転送、という手順を自動的に踏んでくれる。そのため、フォーマットの違いを意識する必要はない。

だが、写真やビデオを編集するアプリを使う場合は注意が必要だ。HEIF/HEVCに対応するアップデートが行われていないアプリは、新フォーマットで撮影した写真やビデオのデータを扱うことができないからだ。

カメラ設定

iPhoneの設定アプリにある「カメラ」の項目では、保存するフォーマットの種類を選択することができる。ここで「互換性優先」を選択すると、常にJPEG/H.264形式で保存されるようになり、新フォーマットに対応していないアプリでも編集が可能になる。