KDDIとJR東日本は9月28日、第5世代移動通信システム(5G) を活用した実証実験を共同で実施すると発表した。実証実験は3種類行われる。

在来線試験電車「MUE-Train」を用いて、走行中における5Gを活用した実証実験を実施する。同実験では、高速で走行する列車内での高速・大容量通信を実現するために、ビームトラッキング(受信側の移動に合わせてビームの向きを変える技術)の検証を行うとともに、ハンドオーバー(受信側の移動に合わせて接続基地局を変更する技術)の性能を検証。また、高速・大容量通信の性能を検証するため、先頭車両に設置した4Kカメラを用いて、高精細映像の送信や車内での8K映像ストリーミング受信を行う。

走行中における高速・大容量通信を目的とした実証実験のイメージ

駅ホームにおいては、列車が頻繁に往来し、多くの乗客が乗降する環境下において、5Gで利用する28GHzという高周波数帯の電波の伝わり方を検証するとともに、電波が届く範囲を延伸するための要素技術であるビームフォーミング(ビームの幅を絞り電力を集中することで電波が届く範囲を延伸させ、通信品質を向上する技術)の検証を行う。

駅ホームにおける電波伝搬試験のイメージ

実証実験は、遠隔地をVRでつなぐ5G体感イベントでも行われる。具体的には、上野駅で実施される地域再発見産直市と宮城県の南三陸さんさん商店街を5Gで接続し、VRを用いて上野駅にいながら、南三陸さんさん商店街でのショッピングを体感できるイベントを開催。ネットワーク上の伝送時間や高速・大容量通信についての検証を行う。

イベントのイメージ