VAIO S11最大の進化点はデザイン性と言っても過言ではない。今回デザインが一新され、天面には東レ社製UD(ユニディレクション)カーボンを採用し、またキーボード面には東洋理化学研究所製のフラットアルミパームレストを採用。強化樹脂製のパームレストを採用していた前モデルよりも、格段に質感が向上している。

一方、スペック面では後退している点がひとつある。それはUSB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3端子が削られていること。従来モデルのUSB端子はUSB 3.0 Type-A×2、USB Type-C/Thunderbolt 3×1という構成だったが、今回のモデルはUSB 3.0 Type-A×3に変更されている。

USB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3端子が利用されていないという自社の調査結果から、USB 3.0 Type-A×3という構成に変更したとのことだが、数年後に需要が高まる可能性は十分にある。個人的にもUSB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3端子を利用する周辺機器が増えてきているので、今回の仕様変更は残念だ。

本体天面。下がディスプレイヒンジ部。VAIOのロゴは鏡面仕上げで美しい

本体底面。下がディスプレイヒンジ部。底面の素材は強化樹脂だ。下部やや右寄りにあるのがmicroSIMカードスロット

本体前面。左右にステレオスピーカーが配置されている

本体背面。ディスプレイ側には銀色のオーナメントが施されている

本体左側面。左から電源端子、ケンジントンロック、USB 3.0 Type-A×2、3.5mmヘッドセットジャックが配置されている

本体右側面。左からSDメモリーカードスロット、USB 3.0 Type-A×1、HDMI、ギガビットイーサネット、D-Subが装備されている

ギガビットイーサネット端子は、端子面があえて上に実装されている。ホコリの堆積による接点不良を防ぐための設計とのこと。また底面側の穴は、LANケーブルの爪が折れた場合にも取り外せるように用意されたエマージェンシーホールだ

LTEモデルでは、Windowsのデータプラン対応SIMが同梱されている。長期的には、必要な容量だけをMicrosoft ストアで都度購入できるSIMなのだが、購入時は1GB/1カ月分までなら無料で使えるようになっている。なお、通信事業者はフランスのTransatelとなり、通信はローミング扱い。このため初回接続時はつながるまで最大3分程度待つ必要があるのだが、その間通信状況の表示は「圏外」のままなので注意したい。突然「圏外」の表示から「接続済み」に変わる時が来るので待とう

ディスプレイ面。モアレ(画面上の格子模様)は実際には見えない。92万画素のWebカメラの左右には、デュアルマイクを搭載。左右のマイクに到達する音の時間差を利用して暗騒音を低減する

VAIO S11のディスプレイ解像度は1,920×1,080ドット。視野角は上下左右ともに85度。輝度、色域、コントラスト比などは公表されていないが、いわゆるIPS液晶と同等のディスプレイパネルが採用されている。モアレは実際には見えない