日用品や食品の通販リピート購入をサポートするWebサービス「Smart Shopping」を運営しているスマートショッピングは9月13日、記者向けの説明会を開催し、IoT機器「スマートマット」を披露した。

スマートマット

スマートマットは消耗品の自動購入を実現するIoTデバイス。デバイスの上に水や米、アルコール飲料といった消耗品を置くことで、それらの残量が一定を下回ると利用者に通知されるとともに、商品の自動購入を行うという仕組みになっている。また、マットの上に置かれていない消耗品についても「買い足し必需品」として登録しておけば、自動購入アルゴリズムが残量を予測し、こちらも併せて定期的に自動購入してくれるという。

スマートマット自動購入の仕組み

スマートマット自動購入の流れ

自動購入の注文が生成されると、利用者には注文内容の確認連絡が届く。何もしなければ注文が確定するので、内容に問題なければそのまま商品の到着を待つだけだ。買い足し必需品の残量がまだ多かったり、旅行で長期間留守にする場合など、注文の変更やキャンセルが必要な場合は、このタイミングで行うことができる。

商品はアマゾンをはじめとする主要通販サイトの中から送料込みの総額で価格比較を行い、最安値のショップで買い物代行を行う。

注文内容の確認メール

例えば、ビールをケースで24本定期的にまとめ買いする家庭では、スマートマットの上にケースごとビールを置いておき、ケース内のビールが残り10本を下回ると、自動でビールを注文するように設定できる。そして、買い足し必需品にシャンプーやトイレットペーパーを登録することで、利用者の行動履歴などを基に残量が予測され、ビールの購入3回に1回の割合などでそれらの必需品が併せて購入されるようになるというわけだ。

そのほかの利用ケースとしては、体の不自由な高齢者の買い物負担を解消するといったシーンが想定される。初期設定さえ行ってしまえばインターネットの使い方が苦手な高齢者でも、日用品のストックがなくなる前に補充することが可能だ。

また、ビジネスシーンでは、オフィスに常備しておく来客用の飲料水やコピー用紙などを自動で購入できるので、面倒な事務作業の効率化が可能。飲食店では業務用焼酎などのストックを切らすことなく営業することができるようになる。特にバックインボックスと呼ばれる業務用焼酎のケースは中身が外から見えないため、発注を忘れてしまうといったことが起こりやすいという。重量から自動で注文を生成する同サービスでは、中身が見えなくても残量を把握することができる。

スマートショッピング 代表取締役の林英俊氏は、「普段買われる日用品は小売りの市場の中でも半分以上を占めるが、まだまだEC化されていない部分が多く、大きな成長に期待できる。日用品はショッピングとして楽しむものではなく、どちらかというと面倒で、手間なく買いたいと考える人が多いだろう。購入にかかるプロセスをゼロにすることで、日用品を探したり、残量を気にしたり、購入したりといったストレスから解放してきたい」と、ビジョンを述べた。

スマートショッピング 代表取締役の林英俊氏

なお、発表時点におけるデバイスサイズは40cm×40cm×3cm。単2電池で駆動し、60kgまで測定することができる。Wi-FiとBluetoothで通信を行う。

今後のテストマーケティングの結果を踏まえて、設計などを確定していき、2018年のサービスローンチを目指す。

同サービスのビジネスモデルについては現在議論を進めているところで、林氏は「一般ユーザーとビジネスユーザーで異なるモデルを考えているが、パートナー探しと同時にスキームを検討している最中。今のところマットの売り切りではなく、レンタルでのマット配布を考えている」と述べた。