凸版印刷は、流通店舗向けに商品情報を管理する低価格ICタグ「SMARTICS-U(スマーティクス・ユー)」を開発し、1枚約5円という低価格を実現したと発表した。

「SMARTICS-U」のサンプルと商品への貼付イメージ (c)Toppan Printing

リーダライタによる一括読み取りも可能 (c)Toppan Printing

「SMARTICS-U」は、クラウド型統合ID認証サービス「ID-NEX(アイディーネックス)」と組み合わせることで、店頭での在庫管理、個品レベルでの商品トレーサビリティ、棚卸し作業の効率化など商品のライフサイクルをトータルに管理できるICタグ。また、循環資材管理や真贋判定、顧客満足度向上などのアプリケーションも標準装備し、クラウドでサービス提供を行うため、初期コストや導入負荷を低減できるという。

同社は、2003年からICタグ事業に着手し、ICタグを用いた物品管理や資産管理ソリューション、ブランドプロテクション向けの真贋判定ソリューションなど高付加価値ICタグの開発を展開しており、2013年より中国・上海にICタグのR&D拠点を設立し、現地での製造ネットワークやグローバルな情報収集による媒体開発を進めてきたという。同製品は、同社が金融証券やICカード製造・発行などで培ってきた認証ノウハウと、ICタグ製品の開発で培ってきた設計ノウハウ、グローバルな製造・発行・供給体制を融合することにより、低コスト化を実現したということだ。

同製品の仕様例は、周波数帯UHF帯(920MHz)、通信規格はEPCglobal Class1 Generation2に準拠し、通信距離約8m。20mm×76mmのラベル形状だが、カスタマイズすることもできるという。タグの価格はロット1億枚の場合5円台で、別途ID-NEXの初期費用が約100万円~、月額費用9.9万円~必要となる。

同製品は、従来提供しているクラウド型統合ID認証サービス「ID-NEX」と組み合わせた商品トレーサビリティ管理サービスとして、2017年9月中旬から提供が開始される予定となっている。なお、同サービスは、9月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「第19回自動認識総合展」のトッパンブースにて紹介されるということだ。