OKIエンジニアリング(OEG)は、プリント配線板に搭載されたままでLSIパッケージを開封し故障解析する、「基板搭載LSI故障解析サービス」の提供を開始することを発表した。

プリント配線板実装状態でのLSI開封事例

電子機器・装置の故障解析においては、プリント配線板に搭載されたLSIに故障が判明しても、さらにLSI内部の故障箇所を特定する必要がある。この特定には、装置の故障状態を維持するために、プリント配線板に搭載したままの状態でパッケージを開封して直接LSIを解析することが求められる、従来の方法では開封の際に用いるパッケージを溶かす薬液によりプリント配線板やLSIを傷つけてしまい、LSI内部の故障箇所特定に至らないケースがあった。

同社は、今回、高精度レーザーパッケージ開封技術と薬液滴下開封技術を併用し、従来より薬液の使用を減らすことで開封ダメージを低減させ、プリント配線板に搭載したままでもLSIパッケージを開封することが可能となる技術を確立。開封後は、ロックイン赤外線発熱解析、X線CT解析などを組み合わせて、LSI内部の故障箇所特定と原因解析を行う。その際、プリント配線板やLSIが元の故障状態を維持しているため、とくに故障個所の特定に有効なロックイン赤外線発熱解析の実施が可能となるとしている。

なお、同サービスは9月6日より提供開始を予定しており、価格は10万円/1件からとのこと。また、販売目標は2000万円/年としている。