NECは9月1日、ERPソリューションであるEXPLANNERシリーズにおいて、基幹業務パッケージ「EXPLANNER/Ai」の後継製品として製造業向けの機能を強化し、業種を問わず共通的に利用できる生産・原価・販売・債権・債務・会計領域の統合ERPシステム「EXPLANNER/Z」の販売を開始した。価格は130万円(税別、利用人数に応じてユーザーライセンスが別途必要)~。

EXPLANNERシリーズ体系図

今回の強化のポイントは(1)業種ごとの適合性を強化、クラウド環境への移行に柔軟に対応、(2)AI・IoT活用ソリューションとの連携、(3)SI・販売体制強化、(4)日本マイクロソフトとのパートナー連携強化の4点。

(1)では、多様な業種に最適なERPシステムを各業種の業務領域ごとに整備したコンポーネント(業種テンプレートや業務アプリケーション)を組み合わせて構築が可能。システムを構成する業務アプリケーションは、コンポーネント構造で提供可能なため、必要なコンポーネントを適宜組み合わせて、クラウド、オンプレミスなどの環境を問わず、各企業の要件に適したERPシステムの利用を迅速、かつ最小限のSIコストで実現するという。

まずは、卸売業や製造業を対象とし、今後はパートナー企業と連携した「コンポーネント流通制度」(個別SIで個社ごとに作成したアプリケーションをNECが一元管理し、パートナーが自由に選択・再利用できるようにする制度)により順次拡大していく。

(2)については、EXPLANNERシリーズと連携する商品需要予測ソリューション、在庫可視化ソリューション(モノづくりIoTソリューション)、自動応答を活用した受注効率化ソリューション、顔認証PCセキュリティ「NeoFace Monitor」、勤怠管理システム「勤革時」など各種AI・IoT活用ソリューションを提供。経営・業務判断に必要なデジタルデータを活用し、EXPLANNERシリーズと連携することで、ビジネスの変化に対応したスピーディな意思決定を支援する。

(3)に関しては、今回ソリューション強化とともに開発・販売体制についても強化し、顧客へのサポートサービスの強化を図る。販売体制については、NECソリューションイノベータ、NECネクサソリューションズなどグループ各社との連携を強化し、NECグループでEXPLANNERの営業要員を従来の2倍となる約1000人規模に拡充。また、SI体制についてはSEを従来の2倍となる300名に強化します。

さらに、販売店に対するEXPLANNERパートナー制度(EXPLANNER拡販を目的としたNECとパートナー間の支援契約)などのサポート体制も強化、顧客への適切なサポートを行う方針だ。

(4)では、「EXPLANNER/Z」のIaaS利用環境としてMicrosoft AzureをNEC cloud IaaSに加えてサポート。日本マイクロソフトとの戦略協業に基づき、AzureとNECの業種、業務系ノウハウとの組み合わせにより、顧客のビジネスにおけるクラウド活用を支援する。また、「SQL Server」のレポート機能「SQL Server Reporting Services (SSRS)」、データの可視化・分析などの経営ダッシュボード「Power BI」を新規に採用するなど、最新のインフラ環境で長期間利用可能とするため、製品においても連携を強化するという。

そのほか、専門性の高いニーズを有する特定の業種については、従来通り、個別受注製造業向け「EXPLANNER/J」、自動車部品製造業向け「EXPLANNER/Ja」、建設業向け「EXPLANNER/C」などの業種に特化した製品と組み合わせ、業種ごとに最適なERPソリューションを提供するとしている。

なお、クラウド環境への移行をサポートするため新規にプライベート型SaaSと、IaaS利用ユーザ向けメニューの2つを提供する。プライベート型SaaSはカスタマイズなど要件に対応する柔軟性と、ネットワーク等業務量応じた占有環境の確保など、各企業に適したSaaSモデルを提供し、価格は月額20万円(税別、5ユーザー)~。IaaS利用ユーザ向けメニューは、IaaS上でEXPLANNER/Zを利用するユーザ向けに、月額利用型ライセンスを提供し、価格は同5万円(同)~。