夜景やワイドアパチャーが楽しめるカメラ機能

最後にHUAWEIがP10シリーズの魅力としてアピールするカメラ性能を試した。P10とP10 Plusはリア側にダブルレンズ、フロント側に1枚のレンズを搭載する。「Leica SUMMLUX-H Lens」を採用するダブルレンズは、Leica Dual-Camera 2.0 Proに対応し、左側のカラーレンズと右側のモノクロレンズを使って、解像感の高い表現力豊かな写真が撮影できる。特にダブルレンズならではの、フォーカスを撮影後に移動できるワイドアパチャーはオススメの機能だ。

リア側に1200万画素のF2.2カラーレンズ(左)、2000万画素のモノクロレンズ(右)の2つを備える。ここまで寄ると本体表面のハイパーダイヤモンドカットによる格子模様も確認できる

メインカメラ(リアカメラ)はF2.2の1200万画素カラーセンサーと2000万画素モノクロセンサー。インカメラ(フロントカメラ)はF1.9の800万画素カラーセンサー。メインカメラのF値はP10 Plusのほうが高く、F1.8まで絞りを大きくできる。

撮影時や撮影後に利用できる機能はほぼ同じだが、レンズ性能とディスプレイサイズが違うため、同じものを同じように撮影すると得られる写真は少し変わる。P10 Plusのほうが被写界深度が浅くなるため、よりボケ味を強調した画像が得られるし、暗所での撮影もP10 Plusのほうがより鮮明に写せる。

逆に写真を撮る楽しさという点では、使えるフィルターやパノラマ、モノクロ、HDR、動画、ポートレート、ワイドアパチャーなどの機能は同様に利用できるので、決して引けを取ることはない。

まずはオススメのワイドアパチャーとそれを利用した効果的なフィルターを紹介したい。ワイドアパチャーは、撮影後の画像に対して撮影時とは違う場所にフォーカスを当てられるもので、「HUAWEI honor 8」や「HUAWEI Mate 9」などにも搭載されてきた、ファーウェイのスマートフォンではお馴染みの機能だ。

例えば、フトアゴヒゲトカゲを目の前で撮影する機会が訪れたとしよう。鮮やかで微細な形状が美しい鱗までしっかりした解像感で撮影できるだけでも楽しいが、背景をぼかして被写体をより強調したり、逆に背景への溶け込みを見せるためにボケ味を抑える撮影が、スマートフォンで簡単に実現できる。

吉祥寺の爬虫類喫茶店でフトアゴヒゲトカゲを撮影した。ワイドアパチャーで背景をぼかしている(撮影協力:[はちゅカフェ]http://turboreptiles.co.jp/)※作例はクリックで拡大表示。さらに拡大写真の右下「原寸大画像を見る」をクリックすると、作例の元データをそのまま表示します

生き物なのでシャッターを切る寸前に動いてしまい、フォーカスがずれることもある。ワイドアパチャーなら、そんなときもフォーカスを任意の場所に合わせ直せる。

また、ワイドアパチャーを使うと、撮影後の画像に対してぼかす領域だけ適用するフィルターが掛けられる。背景をモノクロにしたり、色鉛筆で描いたような効果にしたり、被写体がミニチュアの中にいるような幻想的な映像するといったことが可能だ。

右上のフロッピーのアイコンをタップすれば別ファイルとして保存できるので、元の画像が失われることもない。

被写体をどのように強調して見せるか、いろいろ試して楽しみたい。