JFEスチール、JFEシビルおよびブリヂストンは、地震時のエネルギーを吸収し、建物の揺れを効率的に低減できる制振装置「間柱型粘弾性ダンパー」を共同開発した。ブリヂストンが粘弾性体を使用したパネルを製造し、JFEスチールが上下支持部材を製造、JFEシビルが組み立てと製品の販売を担当する。

「間柱型粘弾性ダンパー」の形状

間柱型粘弾性ダンパーは上下の梁の間に設置する制振装置で、内鋼板と外鋼板の間に粘弾性体を接着した粘弾性パネルと、H形鋼を用いた上下支持部材で構成されている。風揺れなどの微小な振動はもちろん、大地震による建物の揺れ、および変形を低減し、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など、建物の構造種別に関わらず適用が可能。粘弾性体には、ブリヂストンが免震ゴム事業で培ってきた材料開発技術を活用し、減衰性能を強化した新開発の高減衰ゴムを採用している。

「間柱型粘弾性ダンパー」の設置例

今回共同開発した間柱型粘弾性ダンパーの構造安全性と設計法の妥当性は、3社が共同で実施した各種実験によって検証されており、平成29年3月に、日本建築センターから評定を取得した。

なお3社は、今後も安心・安全を支える制振・免震商品ならびに利用技術の開発を通じて、社会に貢献していくとしている。