日本IBMとみずほ銀行は8月24日、各国の政府機関が金融機関に対し規制強化を進めているテロ資金などへの対策として、コグニティブ技術を活用し、リスク管理の高度化・効率化に向けた業務の検証を開始した。具体的には、IBM Watsonのコグニティブ機能を使用する金融機関向けのクラウドサービス(正式名称:IBM Financial Crimes Due Diligence with Watson)を用い、従来は手作業で行っていたニュースなどのスクリーニング業務をコグニティブ技術により分析する。

みずほ銀行では、顧客に安心して銀行サービスを利用してもらうため、金融インフラを守るため、近年頻発するテロ資金やマネー・ローンダリングへの対策として、各国の規制に応じたリスク管理を実施している。各国の規制への対応や犯罪防止に向けて、膨大な情報を収集し、精査を行なうためには、業務プロセスの高度化の実現と業務量の増加に対応する効率化を進める必要があったという。

今回の取り組みにより、従来と比べて効果的かつ効率的に、顧客の中にテロリストなど犯罪者が紛れ込むことを防ぐなどのリスク管理体制への効果を検証する。なお、今回の検証は、成長するアジア市場の中核であり、規制対応とFinTechの活用に積極的に取り組んでいるシンガポールで実施し、業務検証後はシンガポール以外の拠点も含めた、みずほ銀行のグローバルなネットワークでの活用も検討していく。

日本IBMはIBM Financial Crimes Due Diligence with Watsonを、各種ニュースソースの取り込みやスクリーニング技術を用いたデータ抽出といった幅広いデータソースをコグニティブ技術で分析。ユーザー画面に視覚化した情報として活用することで膨大な情報の収集と分析にかかる時間を短縮するという。