大日本印刷(DNP)は、活版印刷の風合いを再現したオリジナル書体「秀英体」の「にじみフォント」をモリサワにライセンス提供した。「秀英にじみ明朝L」は、モリサワより、DTP用のフォント製品として2017年秋に販売される予定で、Webフォントサービスとしても提供予定となっている。

秀英にじみ明朝L(細)

「秀英にじみ明朝L(細)」は、活字が紙に押し付けられることで、インクがにじみ、文字が自然に太くなるという活版印刷の風合いをデジタルフォントで再現した書体。活版印刷に見られる活字の自然なゆらぎやにじみを分析し、その結果を「にじみ効果」として文字の線画に施してある。書籍の本文やポスターの見出し等での利用を想定して調整したことによって、「秀英明朝L」よりも太く、柔らかい印象を与えるという。

また、スマートフォンやタブレット端末などのデジタル機器に表示した際のちらつきが抑えられるため、眼にやさしく読みやすい書体となっている。紙とインクの質感を思わせ、やわらかな表情を持たせることができるため、和菓子等の包装、工芸品やハンドメイド商品の広告など、日本の伝統や美、レトロ感の演出に適した書体になっているいうことだ。

同書体の文字セットはAdobe-Japan1-3(Std/StdN)、フォーマットはOpenTypeフォントにて提供される。販売方法は、モリサワのフォント製品「MORISAWA PASSPORT」、「MORISAWA PASSPORT ONE」、「MORISAWA PASSPORT アカデミック版」、「MORISAWA Font Select Pack 1/3/5/PLUS」として販売されるほか、モリサワのクラウドフォントサービス「TypeSquare」でも提供される。

なお、モリサワは、2009年からDNPのライセンスに基づいて秀英体フォントを順次発売しており、今回追加される同書体は第7弾で、計22書体となるということだ。