Mozilla Foundationは2017年8月22日(現地時間)、Firefox Nightlyバージョン57.0で新たなCSSエンジンとなる「Quantum CSS」が利用可能になったことを、公式ブログで明らかにした。利用には「about:config」で開く設定ページで、「layout.css.servo.enabled」を「True」に切り替える。なお、新CSSエンジンは以前「Stylo」と呼ばれていた。

ジェットエンジンに模した新Firefoxの構造。エンジンのコア部分となるのが「Quantum CSS」

Quantum CSSは、全体に一定のパターンを与える平行構造をGPUベースのWebレンダラーであるServoから。スタイル共有キャッシュをGoogle ChromeおよびSagariから。そしてルールツリーをMozilla Firefoxから取り込み、最新技術を組み合わせた存在となる。Mozilla Developer RelationsチームのエンジニアであるLin Clark氏によれば、同等のハードウェア構成で2倍から4倍の高速化が可能になるという。

Quantum CSSは他のWebブラウザー技術を組み合わせている

CSSエンジンに求められるDOMノードのスタイル計算を、Work Stealing技術とMozilla Foundationが開発したプログラミング言語Rust(ラスト)を利用して並列化。その結果CPUコア数に応じた高速化が実現するとClark氏は説明する。さらにスタイル共有キャッシュは、DOMノードが計算済みスタイルに利用され、消費メモリの軽減と高速化に至るという。

現在のMozilla Firefox バージョン55.0は、2017年3月にNightly、8月に安定版をリリースしているため、約5カ月後の2018年1月頃には利用可能になるだろう。

Quantum CSSに対応するMozilla Firefox Nightly 57.0

阿久津良和(Cactus)