日本IBMは8月8日、NTTドコモと1次産業向けにAIを利用する新たなIoTソリューションの開発および営業活動における協業を開始した。両社の技術連携により、センサなどのIoT機器から取得した数値情報に加え、カメラ画像や音声などの繊細かつ複雑な情報をプラットフォーム上で蓄積・分析可能となり、従来以上に精度の高い解析結果を導き出すことができるとしている。

新ソリューションは、NTTグループのAI技術「corevo」を利用してドコモが開発したAI「自然対話エンジン」および「画像認識エンジン」と、IBMの「IoT分析プラットフォーム」を連携したものとなる。

農業分野でこれまで利用されているIoTサービスは、センサから水温・気温・水位などのデータを取得し、農場の状態の監視や作物がどのような状態かの可視化・予測などに留まるものだったが、画像データを加えることで農作物の視覚的な情報を計測し、病気の兆候や生育状況の把握が可能となり、病気を未然に防ぐことや収穫の最適なタイミングを予測できるという。

また、音声への対応により熟練の農業従事者の経験・知識に基づく助言等を随時音声で取得し、取得時の気候・環境データと関連付けることで、可視化が難しかった栽培技術と気候条件の新たな判断ロジックを解析に加えることができ、経験が浅い従事者でも熟練者の判断が可能となり、農作業の稼働削減に加えて雇用拡大を期待できるとしている。