古河電工は8月3日、銅条製品と高出力ファイバレーザのソリューション展開を本格的に実施すると発表した。これにより、高強度で安定的な銅のレーザ溶接を実現することで、車載用電池などの車の電動化、高機能化に貢献するとしている。

スパッタの発生を抑制できる6kWマルチモードファイバレーザ

同社のファイバレーザは、独自のファイバ構造、ビーム結合技術により、銅やアルミなどの高反射率の難接合といわれている金属系に対する加工への適用および実用化の検討が進んでいる。その中で、銅のレーザ溶接においては、スパッタやブローホールなどの溶接欠陥が発生しやすく、車載電池およびモーターなどの関連部品メーカーにとって、克服すべき技術課題との1つと認識されている。

今回、素材成分や組織制御、厚みなどをレーザ溶接に最適化させた銅合金とファイバレーザを組み合わせることで、スパッタの発生が少なく、ビード形状が安定な溶接を可能とする技術を開発した。

なお、同社では溶接欠陥などのモニタリング検証も進めており、今回の銅条技術とファイバレーザ加工技術と合わせて、同社千葉事業所のアプリケーションラボにて試用が可能だという。