アビームコンサルティングとSAPジャパンは8月1日、デジタルサプライチェーン分野全般に関して協力すると発表した。これを受けてアビームは同日より、独SAPの設計開発管理ソフトウェアである「SAP Product Lifecycle Management(エスエーピープロダクトライフサイクルマネジメント)」および「SAP Product Lifecycle Costing(エスエーピープロダクトライフサイクルコスティング)」に関するコンサルティングサービスを提供開始した。また今後、製造実行管理/輸送物流管理/倉庫管理などのソフトウェアに関しても、順次サービスを提供していく予定だ。

アビームは製造業の業務プロセスに精通し、そのデジタルトランスフォーメーションに強みを有しており、SAPジャパンは独SAPのデジタルサプライチェーン分野のソフトウェアについてのノウハウを持つ。

独SAPのデジタルサプライチェーンは、デジタル事業計画、デジタルレスポンス/供給管理、デジタルロジスティクス、デジタル製品/プロジェクト、デジタル製造、デジタルオペレーションの6領域のソフトウェアで構成しており、製品開発、製造実行、サプライチェーン、輸送物流、設備保全、環境規制対応など幅広い業務をカバーし、最新のIoTに対応したもの造り全般を支援するソリューション分野としている。

SAP Product Lifecycle ManagementおよびSAP Product Lifecycle Costingは、製造業における製品開発・研究開発・商品企画等の業務を支援するソフトウェアであり、ERPとの連携が特徴だという。

両製品は、2D/3D CAD図面の管理、部品表/配合表管理、設計生産連携、開発プロジェクト管理、製品ポートフォリオ管理、製品コストシミュレーションなどにより、マスカスタマイゼーションやIoTに対応した効率的でイノベーティブな開発業務を行うためのアプリケーション。

一方、アビームはIoT導入支援やデータ分析の経験を持ち、デジタルアセットを利用したサプライチェーン改革を支援している。これまでにも、S&OP(Sales and Operations Planning)に対応するクラウド型SCMソフトウェア「SAP Integrated Business Planning」に関するコンサルティングサービスを提供してきたが、今回、独SAPのサプライチェーンソリューションの導入支援をラインアップに加えるとともに、専門組織を立ち上げ、デジタルを利用した製品開発プロセスの改革支援サービスを強化するとしている。

具体的には、IoT利用のシナリオ創出支援やPOCの実施、IoTおよびサプライチェーンソリューションを含む統合システムのグランドデザインや開発・導入など、企業のニーズに合わせて幅広くサービスを提供するという。

これにより、企業はデジタルデバイスやIoT技術によりプロダクトアウト型からマーケットイン型へ製品開発プロセスを変革することで、顧客サービスの向上へとつなげることが可能になる。

SAPジャパンは、アビームのサービス提供に際して必要となる製品面での支援および技術情報の提供を行うと同時に、特定顧客に対する戦略的なマーケティング活動を推進する。

今後、両社は先進事例を交えたサプライチェーンのトレンド、実機デモを含むデジタルサプライチェーン関連ソフトウェアの強みや特徴についてイベントなどを通じて発信し、デジタルサプライチェーン関連ソフトウェアの販売および導入コンサルティングサービスの拡販で協力していく方針だ。