政府が掲げる「一億総活躍社会」実現に向け、今様々な組織でその取り組みが進められている“働き方改革”。テレワークの導入や長時間労働の是正により、ワークライフバランスの改善や、女性はもちろん高齢者も仕事に就きやすくし労働参加率向上に結びつけようと、推し進められている働き方の改革。

それらを後押しするソリューション・サービスが一堂に会した日本最大級の専門展「第4回ワークスタイル変革EXPO」が2017年7月26日(水)より28日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催され、数多くの人事総務担当者たちが訪れていた。

「ワークスタイル変革EXPO」に出展されていた生産性向上やコスト削減、従業員それぞれにあった働き方を実現するためのソリューションやサービスを筆者の目線でピックアップ。今後数度にわたりブースレポートをお送りしていこう。まず第1回目となる本稿では、時間外勤務の防止や特定個人への過重労働対策が可能な「NEC働き方改革支援ソリューション」を展示していたNECソリューションイノベータブースのレポートをお送りしよう。

NECソリューションイノベータのブースよりひとコマ

「NEC働き方改革支援ソリューション」は、企業が抱える罰則付き時間外労働の法制化対応や残業抑制に伴う業務の効率化向上施策、過重労働に起因する優秀な人材の流出を防ぐ効果を狙った機能が詰め込まれたものだ。社員やチームメンバー、グループといった単位で各員の労働時間がひと目で見渡せるダッシュボードや、申告された勤務時間とは別に実際の作業を把握することで「隠れ残業」の検出にも役立つ機能が搭載されている。

また、説明員によれば「時間外労働の実態を知らない管理職も多い」とのことで、本ソリューションには時間外勤務申請の承認フローを完備。それにより、メンバーがどのような作業に当たっているのか、時間外勤務でどれだけの時間を費やしているのかをキチンと把握できるようになる。

また、メンバー側においては、時間外勤務申請を行わないと定時を過ぎた時点でPC画面上にアラートが表示される機能も有している。つまり、独断での残業を防止することで、正確な業務時間の把握や過度な労働の是正につながるというわけだ。そのほか、休暇の予定をメンバー各位に入力してもらうことにより、休暇の重なりを防ぎ日常業務への影響を抑えつつ休暇取得率の向上に結びつける機能や、PC操作のログをベースに使用したアプリケーションやファイル名、作業時間を明示することにより、自身の働き方を見直すヒントも提供してくれる。

写真左が「NEC働き方改革支援ソリューション」のダッシュボード画面。メンバーそれぞれの時間外労働時間の推移や休暇取得状況、帰宅時間等が把握可能だ。写真右は勤務時間の表示で、タイムカード等の出勤・退社打刻時間(黄緑のバー)に加えPCの稼働状況などから実作業を行っていた時間(水色のバー)を把握することができる

写真左は時間外勤務申請を行う画面。「しまった。今日2時間程度残業していかないと明日のプレゼン準備がバタバタしちゃうかも」のように残業せざるを得ない場合は、写真右の申請プロセスを経る必要がある

写真左は休暇予定を管理する機能。「育児のため今日と明日は午前のみの勤務」と事前に入力しておくことで周囲のメンバーに周知することも可能。写真右は働き方分析機能のワンシーン。各グループの時間外勤務時間をグラフで示したモノ

「企業向けソーシャルプラットフォーム」

そのほか、NECソリューションイノベータのブースには、企業価値の創造と向上を支援する企業向けソーシャルプラットフォームも展示されていた。一見すると、複数のタイムラインが一括表示されたTwitterのような画面(投稿可能な文字数も140文字)ではあるが、NECが提供するパッケージ業務システムとの連携や、オンプレミスでの導入も可能となっている。

単にコミュニケーションの多様化、効率化のサポートだけではなく、例えば在宅ワークを行っている人、外出している人ともタイムリーにコミュニケーションを図ることが可能。未既読機能により、誰がメッセージを参照したか確認することもできるため、災害時の安否確認などでも活用することができるという。

チームのメンバー間で情報共有、業務システムとの連携で自動投稿も可能。Twitterと同じような使用感でありながら業務専用のアプリを利用することで端末にデータを残さない

NECソリューションイノベータが考える働き方改革。そして、それを具現化するソリューション。ITの力を利用して長時間労働からの脱却、ひいてはワークライフバランスに優れた「スマートワーク」への改革を支援する同社の今後に引き続き期待したい。