さて、この本稿執筆のきっかけは、iPhone 8が9月に開催されると思われるスペシャルイベントで発表されない可能性があるという噂が流れてきたところにあったのだが、その一方で、iPhone 8に対する準備が着々と進められている様子がサプライヤーの動きから伝わってきている。

iPhone 8を9月のイベントで発表しないというのは、ほぼ間違いなく登場するであろうiPhone 7sシリーズへの販売に影響してしまう。期待通りのものが出てこなければ「まだ次がある」と思い、iPhone 7sシリーズを買い控えてしまうのではないか、という事態が生じるという予測されよう。

同時に発表した方が、価格やサイズ、性能などを比較して、自分にぴったりなiPhoneを選ぶことができ、前述のような買い控えを防ぐことにつながる。iPhone 8が1,000ドルを超える製品になると考えられているが、この製品が単独で登場することと、既存の価格レンジのiPhone 7sシリーズとともに登場することでは、選択する上での意味合いが異なるのだ。

iPhone 7sシリーズの性能が、iPhone 8と大幅に乖離することを避けるべき、とも考えられる。1,000ドルを出さなければ最良のiPhone体験が得られないのであれば、それを体験できるのは、より少なくなってしまい、開発者コミュニティにとって損害となるからだ。

そのため、個人的には、iPhone 7sとiPhone 8の発表会を分けることは避けるべきだ、と考えている。ただ、発売のタイミングは、WWDC 2017で発表したiMacとiMac Proの関係のように、ずれていてもよいのかもしれない。本当に必要な人は、より高い性能のものを待つと考えられるからだ。