年齢を重ねると骨密度が低くなり骨粗しょう症になるというのは、よく耳にする話。これを「高齢者の話でしょ」で片づけている人もいるかもしれないが、実は若い世代にも骨粗しょう症予備軍が意外に多く存在する。

「生活のクオリティーに骨の健康は不可欠」と話すウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長に、大人世代が骨のために今やるべきことを聞いた。

一見しただけでは骨密度はわからない

骨折で寝たきりや認知症の恐れも

骨粗しょう症は骨量(骨質3:骨密度7の割合で換算)が減少して骨が弱くなり、骨折などを招きやすくなる骨の病気。50代では9人に1人、60代では3人に1人、70代では2人に1人が加齢変化の範囲を超えた骨密度低下をきたしていると言われている。

病気とはいえ、自覚症状がほとんどなく、ただちに命に関わる病気でもないとなると、軽視してしまうのもわからなくもない。だが、実はこれが大きな落とし穴。「骨粗しょう症は『骨折して初めて発覚した』という方がほとんど。でも、高齢になってからの骨折は、思いもよらない悪循環を招く恐れがあります」と浜中先生は注意をうながす。

骨粗しょう症によって骨折しやすい場所は「背骨」「脚の付け根」「腕の付け根」「手首」など。どこを骨折しても不便だが、特に脚の付け根を骨折してしまうと歩行が困難になる。リハビリを行う体力も気力も衰えている高齢者の場合、そのまま寝たきりになってしまったり、それが原因で認知症になったりするといったケースも多々あるとのこと。今まで普通にできたことができなくなることのダメージは想像以上に大きく、それは生活のクオリティーに直結するというわけだ。

40代半ばを過ぎたら、一度は骨量の検査を

では、そうならないためにどうすればよいか。まずは検査が第一。骨粗しょう症の約8割が女性だが、この数値には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関係している。

エストロゲンにはさまざまな働きがあり、骨を形成するのも大きな役割の一つ。更年期になりエストロゲンが減少すると骨がつくられなくなり、骨量も減少してしまうため、骨粗しょう症になる確率が高くなる。遺伝による影響も大きいため、女性の場合は母親や祖母など親族の女性に骨粗しょう症の人がいたら要注意だと覚えておこう。

「遺伝の心配がある方は30代後半、そうでない方も女性ホルモンの減少が加速する40代半ばを過ぎたら、検査したほうがよいですね」