企業内の多種多様なコンピューターやデバイスを接続するソフトウェアやサービスを開発・販売しているインフォテリアは7月18日に製品発表会を開催し、モバイルコンテンツ管理サービス「Handbook」の新バージョンを8月30日から提供開始すると発表した。

同サービスは文書や表計算、プレゼンテーション、画像などさまざまな電子ファイルをクラウド上に保存し、タブレットなどの端末でタッチ操作による"めくり表示"が可能なソフトウェア。閲覧者ごとの配信設定や端末紛失時の情報漏洩を防止する機能、事前ダウンロードによるオフライン表示機能などが搭載されており、社内会議の情報共有や営業時の資料提示、店舗と本部の情報共有、社員研修教材の配信など幅広いシーンで利用できる。

同社代表取締役社長CEOの平野洋一郎氏は「これからはモバイルコンテンツを管理するのではなく、活用していくことが重要になってくる」と、今後のビジネスではモバイル活用がますます活発になってくると予想する。

インフォテリア 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏

今回提供開始されるのは同サービスの第5世代になる「Handbook 5」。環境や場所に依存せずにコンテンツを共有する「Smart Share」、デバイスによらず最適なUXを提供する「Sensible UX」、最新デバイスやOSにタイムリーに対応する「tech - Savvy」、エンタープライズレベルのセキュリティを担保する「Solid Security」、管理と分析、利用状況を把握する「Smart Management」の"5S"をコンセプトとしてサービスを展開する。

実際の強化ポイントとして、全天球カメラで撮影した画像を登録するだけですぐに活用できる「360度画像・動画対応」や、デジタルサイネージのように既存コンテンツを再生する「シナリオプレイ」、2画面同時表示のマルチアプリケーションで作業効率を高める「Split View&マルチタスク」、セミナーなどで手軽に資料を共有する「組織外コンテンツ配信/画面同期」などの機能が新たに搭載された。

Handbook 5で拡大された利用シーン

ネットサービス事業本部 製品技術部長 プロダクトマネージャの中嶋誠氏は「Handbook 5では、今まで以上に幅広い利用シーンでモバイルコンテンツを活用できるようになった。コンセプトである"5S"にフォーカスし、引き続きユーザーの利用シーンを増やしていきたいと考えている」と今後の展望を述べた。

インフォテリア ネットサービス事業本部 製品技術部長 プロダクトマネージャの中嶋誠氏

また、同サービスはヘッドセット型ARデバイス「HoloLens」にも対応しており、今後ますます多様化するだろうワークシーンにも対応できるようにしている。Windowsタブレットや2in1PCなどでも適切なUXを提供することで、常に最新デバイスへ対応していくという。

HoloLensでHandbook 5を操作する平野氏

ネットサービス事業本部 副本部長の黒柳開太郎氏は「近年、WindowsタブレットやVRといったデバイス、OSなどの進化は目覚ましい。しかし、アプリケーション自体がそのデバイスやOSに対応していなければまったく意味がない。そのため、今回Handbook 5では常にアップデートされる最新テクノロジーへの対応をきちんと行っていきたいと考えている」と新たな技術へ積極的な対応をしていくことを表明した。

今後も、新しい利用環境への対応もコミットし、順次提供を行っていくことで、デバイスに実装された最新のテクノロジーを最大限に活かしたモバイル活用を実現するとしている。

インフォテリア ネットサービス事業本部 副本部長の黒柳開太郎氏

さらに黒柳氏は、同社が実施したユーザーアンケートの結果をもとに、Handbook利用者のうち半数以上が複数用途で利用していることに触れ「たとえば、店頭設置時はデジタルサイネージで広告を表示させておき、閉店後は同じタブレットで社員研修を行うといったタブレットの有効活用が可能であり、単一機能を使っているユーザーよりも複数機能を使っているユーザーのほうが高い満足度を誇る」と、シーンに合わせてさまざまな機能を使えるメリットを指摘した。

第5回Handbook満足度調査。利用用途数

利用に満足と回答した割合

同社は、2017年秋に公開予定の「iOS11」など新たなデバイスへの対応を通じて利用領域も広げていくことで、2019年3月末までに、累積導入件数2000件を目指す。