安藤ハザマと東電設計は7月13日、クレーンによる橋梁撤去・架設工事において、現地状況とクレーンの動きを忠実に再現する3Dシミュレーション技術を開発した。

パソコン画面上のクレーンの操作パネル

クレーンによる橋梁撤去・架設工事を都市部で行う場合、その多くは道路の通行止めや鉄道の線路閉鎖を伴うため、厳しい時間的制約が発生する。作業手順等を確認する事前のシミュレーションが大変重要となる。

従来のシミュレーションは、想定されるクレーンの動きを2次元の図面上に描画し、周辺との干渉をチェックすることで行われていた。しかし、2次元図面での検討では、現地状況を細部にわたって正確に把握することや、クレーンの動きを開始から終了まで全て確認することは困難であるため、検討を十分に実施しても、実際の作業において想定外の干渉が発生することもあったという。

こうした問題を解決すべく、2社は3Dスキャナにより現地状況を忠実に再現できるシミュレーション技術と、実際のクレーンの動きを簡単に再現することができる3Dクレーンオペレーションツールを開発した。

同ツールでは、操作パネル上のトラックボールにより、実際にクレーンオペレータが操作するような感覚で簡単に画面上のクレーンを動かすことができる。また、クレーンの一連の動きを記録し、いつでも再現することが可能で、修正も容易に行えるとのこと。 加えて、クレーンの動きを再現する際に、クレーンと周辺との干渉チェックを行える。

これらの機能により、クレーンによる橋梁撤去・架設を、あたかも実際に行っているかのようにシミュレーションすることができ、トラブルや手戻りの発生を未然に防ぐことが可能であるとしている。