「AI・人工知能EXPO」会場では、AIを用いたサービスやソリューション、既存の業務にAIを組み合わせることで得られる価値を説くコンサルティングなどの展示が目立ったが、今回紹介するさくらインターネットブースでは「さすが、餅は餅屋!」と感じさせてくれる、“AIを支えるハイパフォーマンスコンピューティング”サービスの展示が行われていた。

さくらインターネットのブースでは、高火力コンピューティングの他に、同社が人工知能に取り組んだ成果のひとつとして披露されていたチャットボット事例やIoTに関わるネットワークとデータのやり取りを統合的に実現する「sakura.io」が展示されていた

さくらインターネット「高火力」コンピューティングWebサイトより

インターネット社会の基盤を支えると表現しても過言ではないサーバのホスティングサービスを手掛けるさくらインターネット。その同社が、機械学習・ディープラーニングに最適な「高火力」コンピューティングサービスを展示、既に機械学習やディープラーニングに取り組んでいる技術系来場者からの注目を集めていた。

この「高火力」コンピューティング、時間課金あるいは月額固定課金とユーザーの使用用途に合わせて契約を結べるほか、GPUカード4枚を搭載したコストパフォーマンスプランが2種類(Maxwellアーキテクチャモデル・Pascalアーキテクチャモデル)、NVIDIAのデータセンター向けGPU「Tesla」シリーズプランが2種類(Tesla P40・Tesla P100)用意されている。

ちなみに、時間課金の提供料金だが、1時間あたりMaxwellモデルが288円(税込)、Pascalモデルが317円(税込)、Tesla P40モデルが376円(税込)、Tesla P100モデルが385円(税込)と「低予算で始めたい」や「今すぐ試してみたい」といったニーズに応える価格帯となっている。

写真は「AI・人工知能EXPO」会場内で「高火力」コンピューティングの性能を示すために行われていたデモンストレーションのひとコマ。解説員の方によれば、性能の高さもさることながら、そのコストパフォーマンスに注目していただければ、とのこと

IBM WatsonやBluemixを利活用して誕生したさくらインターネットのチャットボットに対する取り組みを紹介したボード

「高火力」コンピューティングのほかには、自社で課題となっていたサポートセンター業務の課題改善のために実際に導入されたチャットボットの事例も紹介されていた。「現段階ではまだまだ熟成が必要」と解説員は謙遜しながらも、昨今のコールセンター・サポートセンター業務業界においてAIを活用したチャットボット導入の動きが加速しており、24時間365日、休みなく顧客からのSOSや問い掛けに応える手段のひとつとっていくだろう。

また、さくらインターネットが提供するIoTプラットフォームサービス「sakura.io」の展示も行われていた。AI同様脚光を浴びているIoT分野でも、データセンター事業者として長年培ってきた技術ノウハウが活かされているそうだ。人工知能を活用したい、IoTに触れてみたい。そういった人工知能やIoTに接する人の裾野を広げ、初期投資や環境整備といったハードルを引き下げるサービスを展開してくれるさくらインターネット。入門者や実験的に利用したいという向きや、本格的に事業としてAI開発・サービス展開を行う企業に至るまで、幅広いニーズに応える同社が、今後どのようなサービスを展開してくれるのか注目せずにはいられない。