マーケットニュースメディア「兜予報」を運営する財産ネットは7月11日、人工知能(AI)による言語認識エンジンを利用したチャットボット「Phantomエージェント」の販売を開始した。

同サービスは、普段の話し言葉を認識して、株価・チャート・関連ニュースやIR/PR情報といった投資家に必要な機能をチャットで引き出すことができるというもの。新たに開発された「Phantomエンジン」が翌日の株価レンジを答えたり、株式売買の実行までをサポートしたりしてくれる。株価通過レンジの予測精度は約70%~80%だという。

このチャットボットにはマイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のCognitive Serviceである「Language Understanding Intelligent Service (LUIS)」が活用されており、自然言語から意図を抽出することを可能にした。今回リリースされるiOS版アプリではAppleの音声認識「Siri」に対応しており、今後国内で発売が予定されている「Google Home」や「Amazon Echo」などのスマートスピーカーにも対応していく予定だ。

サービスの利用イメージ

同サービスは、株式取引・投資信託や為替等の金融商品の案内だけでなく、最新映画やアニメなどのエンタメ情報の応対など、分野ごとに派生バージョンを有しており、顧客ニーズに合わせた幅広い対応が可能。過去のニュースデータベースから類似ニュースを検索することもできるので、投資の参考になる類似銘柄での過去ニュースのインパクトもわかるという。

提供されるマーケット情報は、同社の運営している「兜予報」で培ったアクティブトレーダーのニーズ・話し言葉・必要情報の取捨選択などのエンジン・ノウハウをベースに提供される。また、ユーザーが使えば使うほどデータが蓄積され、自然言語の認識力は向上。ニュアンスも含めた曖昧なユーザーニーズや声を予め蓄積し、LUISへ学習を積み重ねることで、より高精度なエージェントの実現を目指す。