かわいらしいロボットがお出迎えしてくれたFRONTEO(フロンテオ)、FRONTEOコミュニケーションズのAI・人工知能 EXPO内ブースでは、人工知能「KIBIT(キビット)」に加え、小さなコミュニケーションパートナー「Kibiro(キビロ)」が出展されており、多数の来場者がその足を止めていた。

りそな銀行にも導入されたという「KIBIT」。クラウドで「KIBIT」とつながることでユーザーの趣味や嗜好を学習し頼れるパートナー「Kibiro」が展示されたFRONTEO・FRONTEOコミュニケーションズのブース

ブースの一角で行われていたミニセミナーはどの講演も大盛況。注目の高さがうかがえた

「KIBIT」公式Webサイト

「KIBIT」の特徴は、少量の学習データで効果が期待できる自然言語解析に特化した人工知能であり、人間の“暗黙知”を学習することが可能だという。FRONTEOの公式Webサイトには、人の4,000倍の速度で読書する疲れ知らずのKIBITとその精度や特徴が紹介されている。利活用の用途として同社が提案していたのは、製造・研究開発・知財の分野におけるQ&Aサポートや市場・競合調査・技術調査の効率化、論文検索や特許調査・分析だ。他にも法務・内部監査・コンプライアンス、人事・労務、経営企画・営業・マーケティングといった社会の多様なシーンで恩恵をもたらしてくれる。

これだけ多様なシーンで存分に効力を発揮する秘訣は、人工知能「KIBIT」と組み合わせることが可能な3つのアプリケーションにある。ユーザーの暗黙知を学習した人工知能により大量のビジネスデータを分析、まだ顕在化していない予兆を検知することなどが可能な「KIBIT Knowledge Probe」。特許調査・分析に特化した「KIBIT Patent Explorer」、「情報漏洩、カルテル、贈収賄・FCPA」の3つのカテゴリーが用意された不正検知ナレッジベースが特徴的な「KIBIT Email Auditor」らそれだ。既に、これらのソリューションは日本でも名だたる企業への導入実績があり、ビジネスにおける課題解決に貢献している。

写真左から「KIBIT Knowledge Probe」、「KIBIT Patent Explorer」、「KIBIT Email Auditor」。Webサイトでは、それぞれのソリューションが詳細に解説されているため、自社にどのソリューションが有用なのかイメージをつけやすいのではないだろうか

さて、FRONTEO・FRONTEOコミュニケーションズのブースで一際来場者の注目を集めていたのが“欲しいを見つける、人工知性”と題されたかわいらしいロボット「Kibiro」だ。この「Kibiro」、先に紹介した「KIBIT」と連携することで、ユーザーに最適な情報を提供してくれるという。

例えば、ユーザーの嗜好を学習して世に数多ある書籍のなかからおすすめの本をレコメンドしてくれるなど、プッシュ営業が難しい書店内でのユーザーへの最適なアプローチをもたらすきっかけにもなってくれそうだ。また、「Kibiro」におすすめされた書籍を店舗内で探すといった、回遊体験を提供して売上の向上も狙える。もちろん、対話応答にも対応しており、観光地において観光客をおもてなしする、「食事をしたい」「景勝地へ行きたい」といった観光客のニーズにあわせ対象施設をレコメンドすることも可能だ。

こちらが愛らしい姿が魅力的な「Kibiro」。デモンストレーションでは、「Kibiro」と音声による対話を楽しむことができた。ユーザーの嗜好を学習し、コミュニケーションを繰り返すことでも学習を深めてくれるため、信頼できるパートナーと接しているかのような感覚を覚える

こちらはBtoBユースの一例。その顧客満足度の高さ、ラグジュアリーな空間が人気のスターフライヤーとのコラボレーションで、「Kibiro」がプレゼンテーションをしてくれるというもの。スライドを映像として流すのではなく、「Kibiro」が手を動かすなどアクションをしながら進めてくれるので、思わず聞き入ってしまう方も多いのでは?

BtoBといったシーンでも、一般ユーザーに向けたシーンであっても、この中性的だけれども愛らしい容姿は見るものの興味を惹き付けてやまないだろう。さらに、人工知能「KIBIT」との連携に加え、「Kibiro」が持つ「歌を歌う」、「ダンスを踊る」、「スケジュールをお知らせしてくれる」等の各種機能がもたらしてくれる価値は、発想次第で様々な業種・業態で利活用が可能になるのではないだろうか。筆者だったら、高齢者となった両親にプレゼントし、遠隔地からであっても「Kibiro」を通じて様子を見守る、なんて使い方をしてみたい……と夢を膨らませてくれた。