東レは19日、イタリアのAVIOSpA(以下、アヴィオ社)と、同社が打ち上げロケット用途に使用する炭素繊維トレカについて、最長2027年まで供給する長期契約を締結したことを発表した。

アヴィオ社はイタリアの航空宇宙関連企業で、アリアンスペース社が打ち上げ・運用する小型ヴェガロケットおよび大型アリアン5ロケットの主要部品の製造を担当している。東レは、現在フランスの現地子会社Toray Carbon Fibers Europe S.A.を通じて、アヴィオ社に高強度炭素繊維を供給しているが、今回の長期供給契約に基づき、新たに同社が開発に参画するアリアン6ロケットやヴェガCロケット等の次世代ロケットのモーターケース向けにも炭素繊維の供給を拡大するという。

近年、放送・通信、測位(GPS)、地球観測、防災などさまざまな分野での人工衛星の活用拡大に伴い、打ち上げ用ロケットの需要も年々増加している。打ち上げコスト削減および高性能化の要求から、今後ますます複合材の採用拡大が見込まれており、東レは高機能炭素繊維の更なる開発・供給を通じて、宇宙分野の拡大を推進する。

新型打ち上げロケット