NECは20日、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)ソリューションである「Obbligato III」の導入において、短期間・低コスト・高品質を実現する業種別PLMテンプレートの販売を開始した。その第一弾として、「自動車部品業向け PLM テンプレート」と「産業機械業向け PLM テンプレート」の2製品が販売される。価格は、自動車部品業向けが5,000万円から、産業機械業向けが5,500万円から。

業種別テンプレート全体イメージ(出所:ニュースリリース※PDF)

近年、PLMシステムの導入が中堅・中小企業にも拡大するなか、業務プロセスに合わせたカスタマイズによる、PLMシステム構築期間の長期化や導入コストの増加が課題となっていた。

同社が販売を開始したのは、PLMソフトウェアであるObbligatoシリーズの導入実績やノウハウをもとに、要件定義・設計・構築・移行といった一連の工程での最も効率のよい技法を分析し、それぞれの業種での重要な機能を体系化し、テンプレート化した製品。

これにより企業は、業務モデルやシステムモデル、プロトタイプ環境など、あらかじめ定義された業種ごとの成果物を活用してPLMシステムを導入できるため、個別カスタマイズに要する時間や失敗リスクを大幅に削減し、短期間・高品質・低コストでの導入を実現する。

今回、その第一弾として、PLMシステムに対するニーズの高い自動車部品業と産業機械業向けの2種類のテンプレートの提供が開始された。同テンプレートを利用することで、特に中堅企業では、従来のPLMシステムの新規導入に比べて構築期間の4割短縮と導入コストの半減が見込まれるという。

「自動車部品業向け PLM テンプレート」は、国内外の開発・生産拠点における製品構成情報(BOM)の共有・活用を推進する「グローバル統合BOM」、BOMと合わせて工程や設備に関する情報を標準化して工程設計の効率化を行う「工程・リソース管理」など、自動車部品業におけるPLMシステムに重要な4つの機能を効率的に実現するテンプレート。グローバルに渡る品質トレーサビリティを強化し、開発・生産準備業務におけるQCDの向上を実現する。

一方の「産業機械業向け PLM テンプレート」は、標準開発・個別受注におけるBOMの設計・生産での横断的な共有を促進する「統合BOM管理」、仕様とモジュールの関連性を見える化して見積や受注時のモジュール選定業務の効率化につなげる「製品定義管理」など、産業機械業におけるPLMシステムに重要な6つの機能を効率的に実現するテンプレートを提供。営業から設計・生産までの一連の業務をシームレスに連携し、受注から生産までのリードタイムの短縮を実現するということだ。

なお、同製品は、6月21日~23日に東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS)http://www.dms-tokyo.jp/ja/」に展示予定となっている。