AIの叡智を追求するFacebook Artificial Intelligence Researchが15日(現地時間)、"Negotiate"(交渉)するチャットボットデータセットをオープンソース化、GitHubにend-to-end-negotiatorとして公開した。

機械学習を積み重ね最適な返答をしてくれるチャットボットは、数ある商品の中からユーザーのニーズに最適なものを薦めたり、コールセンターやWebサイトでの質問に対して、恙無く最適な返答を導き出すなどサービスに触れる機会も増えてきた。現地時間15日、FaecbookのAIラボであるFacebook Artificial Intelligence Research(FAIR)は、さらなるAIとチャットボットの向上を目指すために、新たなデータセットを公開したことを発表している。フレームワークPytorchで動作するデータセットは、5808の会話と2236のシナリオから成るもので、2つエージェント同士、もしくは人対ボットが互いに交渉することを学ばせる。従来以上に高度なチャットボットの構築が期待できる。

公開された資料には、シナリオのひとつのDeal(取引)をベースにその概要を示している。二つの本、三つのバスケットボール、一つのハット(帽子)というアイテムを会話を介して取引交渉を成立させる。それぞれのエージェントには、これらアイテムに対して異なるポイントを付与しており、お互いに相手のアイテムに対する価値を知らないエージェントは会話の中から推論するしかない状況が用意されている。会話の要素には敵対的なものや協調的なものも含まれるが、これらを推測しながら目的の取引を達成することで学習を積み重ねていくというもの。

end-to-end-negotiatorのPDF資料より

FAIRは、この交渉、会話、取引するチャットボットを創る試みは、パーソナライズされたデジタルアシスタントを構築する研究者コミュニティやボット開発者にとって重要な一歩であり、この分野を前にすすめるためのアイデアや努力に貢献するものだしている。