AppleはiOS 11で、拡張現実、ARをサポートすると発表した。4月にFacebookは、「カメラをAR第一のプラットホームとする」と発表し、5月にGoogleは、Googleアシスタントの機能としてGoogle Lensを発表し、より具体的なAR活用を披露した。ARは今年、テック企業の巨人の間でホットな話題なのだ。

Appleは「iOS 11は世界最大のARプラットホーム」と紹介した。その理由は、A9プロセッサ以上を搭載しiOS 11にアップグレードしたiOSデバイスであれば、ARを組み込んだアプリを使うことができるようになる。その数はざっと4億5,000万台だ。

「世界最大」という言葉を用いたのは、Androidプラットホームでは、最新のOSの普及率が低く、デバイスの性能もまちまちで、ARに耐えうるスマートフォンの台数が、iPhoneよりも少ないと踏んでいるからだろう。

Appleが披露したAR Kitは、とにかく正確という印象があった。

公開されたAR Kit

デモを見ると、これまでのiOSデバイスを用いるだけで、正確でかっちりした測距と長さの測定を行っている。赤外線などの補助的なセンサーは不用だ。ハンズオン会場ではテーブルが狭すぎて、ゲームボードを配置する面積が足りないという事態が発生しており、デモとしては失敗という印象があったが、それだけ厳密な距離と位置関係の把握をしている、という評価もできる。

正確な測定ができるという印象

また、複数の平面の認識と管理も可能だった。例えばテーブルに植木鉢を置き、床に椅子を配置することもでき、テーブルのランプを光源とした影も問題なく反映されていた。デモとしてはARの初歩と言うべきものだったが、AR Kitの正確さを実証する結果となっていると感じられた。

具体的なアプリでは、ポケモンGOが分かりやすいだろう。今までは画面の中央で跳ねているだけだったポケモンが、きちんと地面の上に立つようになると、より目の前に本当にポケモンが存在するような感覚が伝わってくるのだ。