IDC Japanは6月15日、2017年第1四半期(1月~3月)におけるウェアラブルデバイスの世界と日本の出荷台数を発表した。これによると、2017年第1四半期のウェアラブルデバイス世界出荷台数は前年同期比17.9%増の2470万台、日本国内出荷台数は同19.9%減の20万4000台となった。

世界のベンダー別出荷台数はXiaomiとAppleがともに360万台、Fitbitが300万台、Samsungが140万台、Garminが110万台、そのほかが1190万台となった。また、ベンダー別市場シェアはXiaomiが14.7%、Appleが14.6%、Fitbitが12.3%、Samsungが5.5%、Garminが4.6%と続いた。

2017年第1四半期 世界ウェアラブルデバイス トップ5ベンダー出荷台数(百万台)および対前年成長

米IDC ウェアラブルデバイスチーム リサーチマネージャーのレイモン・リャマス氏は「ユーザーの好みがフィットネスバンドから腕時計などの製品に変化しつつある中、Fitbitは自社がその変化の真っただ中にあると認識している。ユーザー嗜好の変化もあり、Xiaomiは中国市場で安価なデバイスへの集中を加速することができ、Appleは世界のスマートウォッチメーカーとしての地位を築くことができるようになった。XiaomiとAppleがFitbitに取って代わった今、次の課題はいかにして彼らが自らの地位を維持するかということである」と述べている。

また、同氏は「しかしながら、Fitbitがウェアラブルデバイスを巡る競争から退くというのは間違いである。5000万ユーザーが支える同社の健全なマーケットでのプレゼンスは、同社がデジタル健康分野でトップのマインドシェアを得るという、無形資産に結びついている。今後はそれをてこ入れし、新しい市場とセグメント層に参入するだろう」ともコメントしている。

一方、国内のベンダー別シェアはエプソンが21.7%、Appleが18.1%、ソニーが15.4%、Garminが11.4%、カシオが6.6%、そのほかが26.7%となり、タイプ別では腕時計型が市場の68.2%を占め、従来市場を牽引してきたリストバンド型の26.1%を大きく引き離しており、ウェアラブルデバイスの日本市場は世界に比べ腕時計型への集中が顕著になっているという。

2017年第1四半期 国内ウェアラブルデバイス出荷台数 ベンダー別シェア

2017年第1四半期 日本国内および日本を除く世界全体のウェアラブルデバイス出荷台数 タイプ別構成比

IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストである菅原啓氏は「1年前はウェアラブルデバイスといえばリストバンド型が主導的であった日本国内市場は、機能面で優れる腕時計型主導となりつつある。ただし、市場が再度拡大に舵を切るためには、リストバンド型はもちろんのこと、耳掛け型などさまざまな形態での多様なユーザー体験を提供・提案していく必要があるだろう」と述べている。