久住小春(24)が人生の大きな転機を迎えている。小学6年生の時に、アイドルグループ・モーニング娘。のオーディションに応募し、2005年5月に第7期生として加入。2009年の卒業後、2011年から2015年まではファッション誌『CanCam』専属モデルとして活動、2014年には『アゲイン!!』(TBS系)で連ドラ初出演も経験した。

そして、2016年に以前の事務所を退所。フリーの活動を経て、2017年からは、米倉涼子や上戸彩ら人気女優を多数抱える芸能事務所大手・オスカープロモーションに所属した。新天地の第一歩となるのが、テレビ朝日系ドラマ『女囚セブン』(毎週金曜23:15~ ※一部地域を除く/6月9日の第8話は最終回)。大女優・梶芽衣子(70)と共演、そして舞妓役には運命的な巡り合わせがあった。

アイドル、モデルとして第一戦を走り続けていた久住は、なぜ女優へと転身することになったのか。激動の芸能活動を支えてきた家族との関係性、そして彼女にとってファンの存在とは。

久住小春 撮影:大塚素久

梶芽衣子の「衝撃」

――今回のドラマでは、剛力彩芽さん演じる主人公・琴音を慕う後輩舞妓役です。置屋「一条」の女将・一条涼役の梶芽衣子さんとのシーンが多いと思いますが、現場の雰囲気はいかがですか?

まだ4話目ですが(取材は5月上旬)、今のところほとんど梶さんとご一緒のシーンを撮影しています。ドラマの内容自体はドロドロしているんですけど、現場は全然違って。笑いがあふれる和やかな雰囲気です。

――先日、同じく『女囚セブン』に出演中の山口紗弥加さんを取材したんですが、その場その場で作っていくような現場だとおっしゃっていました。

今のところシリアスなシーンがほとんどで、アドリブを求められるようなコメディ要素はほとんどないです。山口さんをはじめとした女囚グループとこちらでは、多少の違いはあるかもしれません。

――梶さんの出演作はリアルタイムではご存知じゃないと思いますが、何かご覧になったりしたんですか?

今回のお話をいただいてから、『女囚さそり』(72年~)を拝見しました。とにかく、演技に引き込まれるというか「すごい」の一言で。内容もそうだったんですが、ビジュアル的にも衝撃でした。時代を超えても話題になる作品だと思います。

現場では空き時間があると、梶さんが色々お話をしてくださいます。『女囚さそり』の撮影エピソードもしてくださって、「今の小春ちゃんと同い歳だったのよ」と。それを聞いて、また衝撃を受けてしまいました(笑)。

梶芽衣子(左)と共演した久住小春

――すごい縁ですね(笑)。演技のアドバイスなどは?

初めてご一緒させていただく大先輩なので……聞きたい気持ちはありますが、しつこく聞いたら失礼にあたるんじゃないかと。恐れ多すぎて……(笑)。でも、せっかくの貴重な機会なので、どこかで思い切って聞いてみたいと思います。

――梶さんの演技を目の前で見られることも貴重ですよね。

お芝居に圧倒されたというか、オンエアの映像だとまた印象がガラリと変わるんです。映像になった時も考えながらお芝居をしていらっしゃるんでしょうね。カメラの角度とか、照明とか、そういうところも計算されているんじゃないか、そう感じるお芝居でした。

演技に集中すると「自分の言葉」に

――オンエアもしっかりチェックされてるんですね。

はい、本当に衝撃を受けました。

――ご自身のシーンはいかがでしたか。

まだまだ足りないところばかりです。

動画を見たりしながら、事前に舞妓さんのことについて調べました。初めての京都弁の演技なのですが、台本と一緒にいただく音源を参考にして撮影に臨んでます。現場にも元舞妓さんがいらっしゃって、シーンごとに所作のアドバイスや、イントネーションのおかしなところを直していただいたりしています。

――役柄の気持ちになることに加えての外見的な要素。演じる上ではハードルになりそうですね。

気持ちをのせて話していると、イントネーションがおかしくなりそうで(笑)。「自分の言葉」になっちゃうんですよね。京都弁のイントネーションを意識しながら演じるのは、すごく難しいです。

――新潟出身でしたよね? そちらの方言は?

方言もありますが、一応は標準語との使い分けはできているつもりです(笑)。梶さんも役柄で京都弁を話していらっしゃるので、耳を傾けていっぱい聞いています。撮影がスタートした頃よりは、徐々に馴染んできたと思います。