米Nutanixと米IBMは5月16日(現地時間)、新たなワークロードをハイパーコンバージドシステム上に展開するための複数年のパートナシップを発表した。NutanixのEnterprise Cloud PlatformソフトウェアとIBM Power Systemsを組み合わせたもので、大規模エンタープライズ環境のクリティカルなワークロードを対象に、ターンキー型のハイパーコンバージドソリューションの実現を目指す。今回のパートナーシップでは、組み込み型AHV (Acropolis Hypervisor) 仮想化機能を搭載したフルスタックのソリューションを提供する。

同社によるとリアルタイムの情報処理能力は、これまで企業に競争優位性をもたらしてきたが、従来のアプローチでは顧客を満足させることが難しい状況だという。また現在、分析、コグニティブ・スキル、機械学習などを組み合わせることで、膨大なデータを迅速に収集し、高速の演算処理を行い、次に起こるであろう出来事を予測する能力が重要となっていると指摘。

こうしたワークロードの処理には、特有の課題が存在しており、高信頼性のストレージ、高速ネットワーク、高い拡張性、極めて強力なコンピューティングを兼ね備えることが求められているという。数年前に設計されたプライベートデータセンターですら、テクノロジーの面だけでなく、アーキテクチャの設計哲学の面からも、刷新の必要があると考えられおり、IBM Power SystemsとNutanixの統合ソリューションはこうした課題に対応するものとなる。

今回の共同イニシアチブは、新たなワークロードをハイパーコンバージドシステム上で展開することを目的としており、導入が容易でPOWERベースのスケールアウト・コンピューティングをサポートするWebスケール・アーキテクチャを提供する。

具体的には、ビッグデータ、機械学習、AIといった次世代のコグニティブ・ワークロード、データベース、大規模データウェアハウス、Webインフラストラクチャー、メインストリーム向けエンタープライズ・アプリケーションなどのミッションクリティカルなワークロード、フルスタックのオープンソース・ミドルウェアやエンタープライズ・データセンターといった、クラウドネイティブのワークロードとコンテナとなる。

両社の統合ソリューションは、シンプルなプライベート・エンタープライズクラウドを通じ、データセンターに対してシームレスかつ互換性のある形でPOWERアーキテクチャや、AHVによる仮想化管理、機械学習、アプリケーションモビリティ、マイクロセグメンテーションなどによる高度な計画や修復の自動化、Prismによる完全統合型のワンクリック管理スタックを通じ、クラウド主導型インフラストラクチャーの構築・運用に関して、サイロ化を解消し、専門的なITスキルの必要性の軽減、Acropolis Container Servicesの自動実装、およびエンタープライズクラスの永続ストレージによるステートフルなクラウドネイティブ・サービスなどを提供するという。

なお、提供はIBMの営業部門とチャネルパートナーを通じて独占的に販売され、具体的なスケジュールやモデル、対応サーバー構成については、提供開始時期に発表を予定している。