macOS High Sierraのトピックは、前述のApple File Systemへの対応、そしてiOSとも共通の機械学習APIの搭載、そしてグラフィックス性能の向上だ。グラフィックスAPIについてはMetal 2へとアップグレードし、また拡張現実(VR)コンテンツ制作対応も果たした。VRはこれまで、Facebookが買収したOculusや、ソニーPlayStation VRといったハイエンドの製品から、GoogleやSamsungが取り組んできたスマートフォンによるVR実現まで揃っている。またMicrosoftはHolo Lensによって、複合現実(Mixed Reality、MR)のインターフェイスを実現した。

Metal for VR

こうしたVRの取り組みが活発化する中で、Appleは、コンテンツ制作環境としても、コンテンツ消費の環境としても、VRに関わりを持てずにいた。MacのVRコンテンツ制作対応と、iPhone/iPadのVRコンテンツ消費対応によって、追いつかなければならない立場だったにも関わらず。

基調講演では、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長である、クレイグ・フェデリギ氏がプレゼンを担当

macOS High SierraはMetal 2のVR対応によって、ソフト面でのVR対応を実現した。しかしMacBook Proではマシンパワーが足りないことから、ThunderBolt 3外付けグラフィックスを接続したデベロッパーキットを紹介し、ハンズオンコーナーでも同様のデモを行った。なおVRヘッドセットはHTC VIVEが用意されていた。

そこで登場したのが刷新されたiMacだ。グラフィックスを大幅に強化し、外付けグラフィックスなしにVRコンテンツを楽しめるようにした製品だ。基調講演では、『スター・ウォーズ』の世界に入り込む、というデモを披露していた。