NIPPON PAYは6月30日、電子決済サービスを持たない医療機関や商業機関に向け、訪日中国人を対象とした日本初の中国三大決済が利用可能なメールリンク決済サービスを開始する。

同社は、中国モバイル決済ソリューションを中心としたサービスを提供しており、去年の10月にECショップ向けの中国三大決済(銀聯、WeChatPay、Alipay)サービスを開始し、今年の1月には日本で唯一、店舗向けに「WeChatPay」と「Alipay」が1つのアプリで決済を可能とした、マルチ決済サービス事業を展開している。

今回のメールリンク決済サービスは、これらに続く第3弾で、請求する決済情報とリンクしたURLおよびQRコードを、メールやチャットで簡単に送信できるサービス。これにより、電子決済サービスを持っていない事業者が、訪日前もしくは訪日後の中国人に対して遠隔で簡単に請求することが可能となる。主に医療クリニックや美容クリニック、設計士やデザイナーなど、訪日時に面談やカウンセリングを行い、現地に帰国後、見積書を提出して遠隔で決済する事業者へのニーズを見込んでいる。

訪日中国人は2016年をピークに爆買いはひと段落し、消費は「モノ(購入)」から「コト(体験)」へと移行しており、今、中国人富裕層の間では医療ツーリズムが人気となっている。日本は再生医療などの分野で国際的にトップクラスであるほか、医療機関のサービスの質も高く、そのため医療水準の高い日本で検診や治療を受けようと医療ツーリズムを利用する中国人富裕層が急増している。

しかし、電子決済サービスを持っている医療機関はまだごく少数だ。特に再生医療や先進医療など、高度な医療サービスを受ける場合、中国人受診者は訪日時に検診およびカウンセリングを行い、一度帰国となる。その後、医療機関は施術方針と見積書を作成し、相手先に送付していましたが、受け取った中国人側は人民元の支払いに送金や国外持ち出し制限があるため、スムーズに支払いができず、煩雑な行程を必要としていた。

同メールリンク決済サービスは、電子決済を持たない事業者が、訪日前もしくは訪日後の中国人に対し遠隔で請求することが可能となるという。