エンジンは1リッター直列3気筒ターボと1.4リッター直列4気筒ターボを設定する。1リッターはA1、1.4リッターはA3でおなじみのパワーユニットだ。アウディジャパンが主力と考えているのは1リッター。筆者も1リッターでどの程度走るのか興味があった。しかし、静岡県で行われた報道関係者向け試乗会に用意されていたのは、1.4リッターをベースとした280台の発売記念限定車「1stエディション」だけだった。

ポリゴンがテーマ、グリルは力強さを演出

Q2はスタイリングも特徴的だ。ポリゴン(多角形)をモチーフにしたことで、従来のアウディとはひと味違うイメージを打ち出している。特に目立つのは、ボディサイドのキャラクターラインが上下に分かれて六角形をなす造形だ。SUVらしいフェンダーの張り出しを都会的に演出した、うまい手法だと思った。

六角形をなすキャラクターライン

フロントグリルが八角形をなしており、他のアウディより高い位置に置かれ、内部のバーにも多角形的な処理を施されたことも違いだ。Q2のサイズからすると主張が大きすぎるような気もするけれど、SUVらしい力強さの演出には効いている。

フロントグリルも特徴的だ

デザインの工夫が必須なコンパクトSUV

C-HRを見れば分かるように、今のコンパクトSUVマーケットはとにかくデザインコンシャスだ。正常進化型の造形を続けてきたアウディも、このままではライバルに埋もれてしまうと考えたのかもしれない。ちなみにこのデザイン、今後は他のSUVにも導入することで、セダンやハッチバックとの差別化を図っていくそうだ。

それに比べるとインテリアは、センターパネル周辺にポリゴンを取り入れていることを除けば、A3に似ている。ただしシートは前後とも高めに座る。特に後席は足を下に伸ばすような着座姿勢だ。おかげで一回り大きなQ3と同等の広さが得られた。

Q2のインテリアと後部座席

アウディジャパンではこのQ2について、1台ですべての用途をこなせると説明している。たしかに405リッターの容量を誇る荷室を含めて、ファミリーカーとしても使えるキャビンを備えていた。ボディサイズもフォルクスワーゲンのゴルフに近いパッケージングだと感じた。