ヤマハとANAはこのほど、成田国際空港および関西国際空港のANA国際線搭乗ゲートにおいて、ヤマハが開発した音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」を活用した新サービスの実証実験を開始した。

操作パネルのイメージとスマートフォン表示画面のイメージ(中国語(簡体)・韓国語)

ANAではこの音声アナウンスシステムを搭乗案内はもとより、遅延・欠航といった様々な状況で放送し、搭乗ゲートで必要とされる多言語アナウンスの対応力向上を図る。また、ヤマハとANAは今回の取り組みを契機に、対応言語数の拡充などコンテンツの充実を図り、訪日外国人や聴覚障がい者に、より安心して日本の空を利用できるサービスの提供を目指す。

成田国際空港では4月26日よりヒューストン行きANA174便の搭乗ゲートにて、関西国際空港では5月19日より上海行きANA975便の搭乗ゲートにて、2カ月の実証実験を実施。音声アナウンスは日本語・英語・中国語・韓国語、文字情報は日本語・英語・中国語(繁体/簡体)・韓国語となる。なお、文字情報の表示は多言語アナウンスシステムを活用した放送のみで、文字情報の表示には「おもてなしガイド」アプリが必要となる。

対応する放送は、搭乗ゲートでの搭乗案内や遅延・欠航といった様々な状況におけるアナウンスなど。ANAの係員が事前にアナウンスを4言語(日・英・韓・中)でシステムに録音し、空港の搭乗ゲ-トで使用。これにより、空港の搭乗ゲ-トにおける多言語対応力の更なる向上を図る。多言語対応ができる係員が不在の場合でも、常に4言語のアナウンスが可能になる。

音声アナウンスは再生と同時に多言語化され、乗客のスマートフォンなどに文字情報として表示される(5言語に対応: 日本語・英語・中国語(繁/簡)・韓国語)。これにより、ユニバ-サルなサ-ビスをより一層追求し、また、訪日外国人や聴覚障がい者へ、更なる「安心」を届けられる。なお、事前にアプリケ-ションのダウンロ-ドが必要となる。

音声アナウンスは、出発便のゲート変更や時間変更など様々なシチュエーションにも対応。乗客が必要とされる情報を多言語(4言語)で、これまで以上に正確かつ的確に届ける。

おもてなしガイドのイメージ

ヤマハが開発したおもてなしガイドとは、言語や聴力の壁を超えて、誰もが確実にアナウンスの内容を理解することができる「音のユニバーサルデザイン化支援システム」のこと。おもてなしガイドに対応した施設では、専用のアプリを起動して、流れてくるアナウンスをスマートフォンのマイクで拾うだけで、その内容を様々な言語に翻訳された文字で確認できる。

おもてなしガイドは音で通信を行うため、インターネットに接続していない端末でも情報の取得が可能。これまで多くの自治体、空港、交通機関、商業施設、観光施設などの協力を得て実証実験を実施しており、今後はこれまでの検証結果をふまえて、同サービス化に向けた活動に取り組んでいく。