スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2017」にて、ハミルトンは、発売60周年を迎えたアイコンウオッチ「ベンチュラ」のアニバーサリーコレクションを発表。

また、世界8都市で開催されている「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」の記念ウオッチ2種もまた発表した。日本でも6月に千葉県・幕張で開催が予定されているだけに、こちらも話題となりそうだ(掲載写真はすべてクリックで拡大表示。価格はすべて予価で税別)。

シルバーが印象的なハミルトンブース。ブース内のディスプレイには、さりげなく「スピリット・オブ・リバティ」のブルーダイヤルも!

ベンチュラ アニバーサリーコレクション

1957年に登場した「ベンチュラ」は、それまでの腕時計の歴史と概念を覆した、いわば「ロックな時計」である。世界初の電池式という画期的な機構はもちろん、当時のアメリカを象徴するオートモービル「キャデラック」のデザイナーでもあるリチャード・アービブによるデザインは、なんと左右非対称の三角形。

そんなエキセントリックともいえたベンチュラは、発売と同時に記録的なセールスを達成した。アメリカ産業の金字塔として、現在もスミソニアン博物館に収蔵されている。また、偉大な歌手、エルヴィス・プレスリーがベンチュラの熱烈なファンであったことも、このタイムピースに伝説を付加することになった。

「ベンチュラ」のブース内ディスプレイ。バックのシルエットは、もちろんエルヴィス!

そんなベンチュラが今年(2017年)、発売60周年を迎えるにあたり、ハミルトンがアニバーサリーコレクションを発表。オリジナルモデルの雰囲気を受け継ぐヴィンテージデザインの「ベンチュラ YGPVDモデル」と、現代のファッション性とデザイン技術を積極的に採り入れた「ベンチュラ デニムモデル」、そしてキング・オブ・ロックンロールと謳われたエルヴィスを思い起こさせるステージマイクをイメージした「ベンチュラ エルヴィス 80 スケルトン」だ。

ベンチュラ アニバーサリーコレクション

ベンチュラ YGPVDモデル / ベンチュラ デニムモデル

ベンチュラYGPVDモデルは、その名の通り、イエローゴールドPVD加工されたSS(ステンレス・スチール)ケースが特徴。ケースだけでなく、ダイヤルのエレクトリックグラフィックやインデックスの原子マーク、秒針の先端にもレッドマーカーを残すなど、1957年発売当時のベンチュラのディテールを残しつつ、現代的にアレンジしている。ムーブメントはクォーツ。風防はミネラルガラスで、5気圧防水。ストラップは、クロコ型押しのカーフストラップ。

価格は、ケース幅32.3mmのLサイズモデルが10万1,000円、ケース幅24mmのSサイズモデルが9万8,000円。発売中。

ベンチュラ YGPVDモデル(中央・右)

一見、SSケースをデニムストラップが貫いているようなデザインが目を引くベンチュラ デニムモデル。だが、実はダイヤル内はデニム柄が最新技術で3Dプリントされている。なお、デニムはベンチュラと同じく1950年代に誕生したアメリカンカルチャーの象徴という点から、今回のモチーフに選ばれたとのこと。まさに、「常識や変化を恐れない」というベンチュラの精神を体現するコレクションだ。

ベンチュラ デニムモデル(左・中央)

こちらもムーブメントはクォーツで、ダイヤルにはエレクトリックグラフィックが描かれている。風防はミネラルガラスで、5気圧防水。デニムストラップの裏地にはブルーレザーを使用、スタイリッシュなデザイン性と装着感を両立させた。

価格は、ケース幅32.3mmのLサイズモデルが9万1,000円、ケース幅24mmのSサイズモデルが8万8,000円。11月発売予定。

ベンチュラ エルヴィス 80 スケルトン

今回のアニバーサリーコレクションで唯一のメカニカルモデル。ステージマイクをモチーフとしたダイヤルのスリットから、自動巻ムーブメントが覗き見える。そもそも、オリジナルが世界初の電池式時計という栄光ある足跡を持ちながら、そのアニバーサリーモデルにあえて機械式をラインナップするところが、いかにもベンチュラ的なニクイ演出だ。ちなみに、パワーリザーブは80時間。

ベンチュラ エルヴィス 80 スケルトン(SSブレスモデル)

ベンチュラ エルヴィス 80 スケルトン(ラバーストラップモデル)

SSケースの幅は42.5mmで、シースルーバック仕様。風防はフロント、バックとも(形状的に製造難易度が高い)サファイアクリスタルで、5気圧防水。価格は、ラバーストラップ装着モデルが19万3,000円、エルヴィスが愛用したといわれる蛇腹のSSブレスを装着したモデルが19万8,000円。7月発売予定。

ブリッジのペルラージュ模様が美しい