同梱されるハイレゾ対応イヤホン「USonic」。海外では、HTCから先行発売されているUSBデジ出し対応のスマホ (U Ultra / U Play / 10 evo / Bolt)にむけて、オンラインストアで単品販売も行われている

HTC U11は、イヤホン・ヘッドホン出力をUSBデジタル出しに一本化した点でも注目すべきモデルだ。今回は、イベント会場に展示されたHTC U11と、付属イヤホン「USonic」の組み合わせによるサウンドを、Google Play Musicの音源で確かめることができた。実際に聴いてみると、デジタル接続のよさを活かした明瞭なセパレーションと力強さが味わえる。やや派手めなチューニングのようにも感じられたが、EDMの音源を再生してみると低音の重心が低く安定しており、筋肉質でタイト。ビートの鋭さが伝わってくる。明るく艶やかなボーカルも楽しめた印象だ。

HTC U11にイヤホンをつないだところ

付属イヤホンはUSB Type-C端子に直結するタイプだが、前フラッグシップである「HTC 10」も含めて、他のUSB Type-C端子を採用するスマホに挿しても使えないようだ。通常のイヤホンやヘッドホンは、パッケージに同梱される3.5mm - USB変換アダプタを介せば接続できる。オーディオ専業ブランドからUSB Type-C接続のイヤホンが発売された場合、どうなるのかは試してみないとわからないが、互換性があることを願いたい。

イヤホンの断面図。ダイナミック型のドライバーを搭載する。中に搭載されているのはUSonicのパーソナライズド・オーディオ機能の測定用マイク。ノイキャン用のマイクは別の場所に乗っている

アダプターに3.5mmタイプのイヤホンをつなぐとこうなる

USonicでのリスニング感を最適化するキャリブレーション機能「パーソナライズド・オーディオ」も実機で試してみた。本体設定のメニューから「HTC USonic with Active Noise Cancellation」をタップ。スキャニング開始を選択するとビープ音が鳴り、2~3秒で耳穴のかたちの測定が終わる。

ユーザーによって異なる耳穴の形状を自動で測定。サウンドを最適化する「パーソナライズド・オーディオ」は、設定からオン・オフが選べる。測定は2~3秒程度でぱぱっと終わる

アクティブ・ノイズキャンセリング機能は、ハウジングの外側に搭載するマイクでノイズを集め、独自の解析アルゴリズムによって消音するフィードフォワード方式だ。その消音効果はやや穏やかな印象もあったが、周囲の騒音レベルに合わせて消音レベルを調節する機能もあるようなので、たとえば地下鉄の中で音楽を聴いてみると、消音効果がより強く感じられるのかもしれない。

ノイズキャンセリング機能は設定をオンにしても音楽をかけないと起動しないように設計されている。例えば飛行機の中でノイズをシャットアウトして眠りたい時もあるので、音楽再生に関わらず機能も使えるようになればもっと便利だと思う。ソフトウェアのアップデートなどによって追加できる仕様なのか気になるところだ。

HTCでは、以前に日本で発売した「HTC J butterfly HTV31」の頃から、スマホ向けの小型なユニットとエンクロージャーでも力強いサウンドが鳴らせるように内蔵スピーカーの技術をブラッシュアップしてきた。HTC U11も独自にチューニングしたステレオスピーカーが搭載されている。本体を横向きに構えると、左右のスピーカーから迫力あるサウンドを楽しめた。