重要なのは来店頻度

かつて「プチぜいたく消費」がもてはやされた時代があった。デフレ期であっても、安いだけではなく、少しでもおいしいものを手軽に食べたいという需要があり、各業態が顧客の要望に応えるべく努力を重ねた。消費者に認知され、また受け入れられる商品を提案することができた企業は、今でも業績を維持している。

景気が回復基調にあることは日銀短観(3月調査)にも見て取れる。調査によれば、個人消費関連の業種で景況感が改善しているのだ。しかし、経済の回復が、そのまま外食業界、とりわけファストフード業態全体に好調をもたらすとは限らない。消費者が魅力を感じる商品をラインナップし、手に取ることのできる価格を設定できているかどうかが試される。

特に外食産業においては、年に数回の大型需要を取り込むことよりも、1度の利用額は定額(少額)でも、顧客の来店頻度を高めることが重要とされる。わかりやすい表現に置き換えれば、ファンの開拓やリピート客の獲得が、業績に直結するのだ。二極化しているファストフード業態において、中間価格帯に挑むカールスジュニアの戦略には、顧客だけでなく同業他社も注目している。

次回は同店の出店戦略にお伝えしたい。日本再上陸にあたり、10年で150店とぶち上げた出店計画は、現在も進行中なのだろうか。