もしAppleがARに本腰を入れるスマートフォンをリリースするのであれば、注目すべきはカメラとソフトウェア、ということになる。

2017年に発売するであろう新型iPhoneに、ARやVRの機能を導入することが期待される。iPhone 7 Plusには焦点距離が違う2つのカメラが搭載されており、被写体を認識して背景にボケを与える被写界深度エフェクトを実現している。このエフェクトは、美しいポートレート写真を作り出すためのものだが、前述のFacebookが説明した画像認識技術とあまり変わらないことに気づくだろう。Appleも、画像認識と空間認識についての基礎技術に取り組んでおり、その活用の手始めとしてのポートレートモード、と見ることができるのだ。

2017年の新型iPhoneには、縦に並ぶ2つのカメラが搭載されるとみられている。この2つのカメラは、iPhone 7 Plusのような撮影機能の拡張だけでなく、ARに活用できるコンピュータビジョンのためのセンサー、という役割は大きくなると考えている。例えば地図アプリの歩行ナビゲーションで、分かりにくい東京の地下鉄駅の出口に矢印を重ねて経路をガイド表示してくれたり、といったように。

iPhoneでARをサポートするなら、2017年6月に開催されるWWDCで、ARに関連するiOSの機能や、コンピュータビジョン、それを活用する位置情報取得といったAPIに関する発表が行われることになるのではないだろうか。そうしたソフトウェア基盤は、こちらも計画が噂されるARグラス以上にインパクトが大きなものになるのではないだろうか。