Appleは、Macについて、あるいはプロフェッショナルなユーザーについて軽視しているのではないか。そんな噂が囁かれるのも無理はない。

Macラインアップの最高峰のMac Proは、3年以上、iMacも1年半近く放置されたままの状態が続いていたからだ。2016年はMacBookのマイナーアップデートと、MacBook Proのデザインやインターフェイスを含めた刷新が行われ、「Macは重要」という姿勢を改めて打ち出そうとしてはいたが。

4月上旬に、Appleは米国の複数のメディアに対して、Mac Proの刷新と、今後のMacラインアップに関する方針についてブリーフィングを行った。Appleが将来の製品に関する情報提供を行うことは異例だ。

しかしそれだけ、Macに関して、なんとかユーザーを引き留めたいという思いが顕在化していると言える。

Appleはまず、長らくアップデートされてこなかったMac Proの構成アップデートを施した。黒い円筒形ボディ、そして価格をそのままに、CPUやグラフィックスを1クラス上位のものに変更している。

2013年6月のWWDCで披露されたMac Pro

これまで398,800円となっていたMac Pro Xon E5 3.5GHz(6コア)とFirePro D500×2の価格は298,800円となった。またさらに上位となる8コア仕様のXeon E5 3.0GHzとFirePro D700×2は、旧価格で608,800円となっていたが、398,800円に値下げされた。両モデルともにRAMは12GBから16GBに増強されている。

ただし、MacBook Proに採用されたThunderbolt 3はサポートしておらず、引き続きThunderbolt 2を使って周辺機器などを使っていくことになる。値下げされたことは歓迎すべきだが、根本的なアーキテクチャが変更されていたり、これまでの拡張性が変わったわけではない。