NECは、東南アジアのパラオ共和国およびミクロネシア連邦向けに大容量光海底ケーブルを計3ルート建設する。今回新たに海底ケーブルを接続する島々は現在、衛星通信を活用しており、これらのルートの建設により通信環境が著しく向上することが期待される。

第1のルートは、パラオ共和国と、東南アジアと米国本土を結ぶ大容量光海底ケーブル「SEA - US(Southeast Asia-United States、シーユーエス)」を接続するもの。本ケーブルの建設は、Belau Submarine Cable Corporation社と契約締結したもので、アジア開発銀行の資金が活用される。 第2のルートは、ミクロネシア連邦のヤップ島とSEA-USを接続するもの。本ケーブルの建設は、ミクロネシア連邦通信庁と契約締結したもので、世界銀行の無償資金援助が活用されている。 第3のルートは、ミクロネシア連邦のチューク島と、グアムとミクロネシア連邦の首都ポンペイを結ぶ大容量光海底ケーブルを接続するもの。本ケーブルの建設は、ミクロネシア連邦通信庁と契約締結したもので、世界銀行の無償資金援助が活用されている。

建設する光海底ケーブル(オレンジ線と黄色線)

今回建設する海底ケーブルは、100ギガビット(100Gb/s)の最新の光波長多重伝送方式を採用。新たな光海底ケーブルが稼働することで、現在、島に暮らす住民や、旅行客をはじめとした島の訪問者の通信環境が改善することが期待される。

NECは、海底ケーブルのトップベンダーだ。建設中のSEA - USをはじめとして、地球6周分のべ25万kmを超える施設実績があり、特にアジア・太平洋地域で強みを有す。日本で唯一、深海8,000mの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社であるOCCが、本ケーブルの製造を担当している。