半導体市場調査企業である米IC Insightsは5月2日(米国時間)、半導体メモリの市場価格が2017年第2四半期から下期にかけて現状維持もしくは上昇が続くようであれば、Intelが1993年以来、約四半世紀にわたって守ってきた半導体企業としてのトップの座をSamsung Electronicsに譲り渡す可能性が出てきたとの予測を発表した。それによると、Intelが設定した中期販売計画における2017年第2四半期の売上計画と、Samsungの同四半期の売上高予測を比較すると、仮定の段階であるが、Samsungの同四半期の売り上げが、Intelの売り上げを超すことになるという。

もし、これが本当に実現されると、Samsungにとっての画期的な出来事になるだけではなく、長年にわたてトップ企業として君臨してきたIntelに追い付き追い越そうとして努力してきた他の半導体企業にとっても励みになることが想像される。

1年前の2016年第1四半期のIntelの売上高はSamsungに比べて40%も高かったが、わずか1年余りで、Intelは四半期ごとの売上高でSamsungに後塵を拝するかもしれない。

図1 Intel(青色)とSamsung(赤線)の2016年第1四半期から2017年第2四半期にかけての四半期ごとの売上高推移。縦軸は、半導体売上高の総額(単位:百万ドル)、横軸は四半期(2017年第1四半期までは実績、第2四半期は予測) (出所:IC Insights)

Samsungの売上高の伸びは、DRAMおよびNANDの平均販売価格の上昇が継続していることによるものだ。この1年間ですべてのメモリの平均販売価格が4~5割ほど上昇したとされているが、先端の高集積製品に限ってみると、さらに高い6~7割、もしくはそれ以上の値上がりが見られるという。IC Insightsでは、この2016年後半から続くDRAM/NANDの価格上昇について、下半期には落ち着きを取り戻すと予測している一方で、2017年通期のDRAM市場の成長率を39%、NAND市場の成長率を25%という予測を掲げており、高い成長率がもたらされる見通しを示している。

表1 DRAMおよびNAND型フラッシュメモリの四半期ごとの平均販売価格。表の左から2017年第1四半期平均販売価格(ドル)、2016年第4四半期の平均販売価格(ドル)、2017年第1四半期の平均販売価格の前期比値上がり率(%)、2016年第1四半期の平均販売価格(ドル)、2017年第1四半期の平均販売価格の前年同期比値上がり率(%) (出所:世界半導体市場統計(WSTS)およびIC Insights)

ファウンドリを除いた世界の半導体企業ランキングの変遷を見ると、Intelはi486の後継となるPentiumプロセッサを発表し、PCの売り上げを記録的に伸ばした1993年以来、24年間にわたり世界トップの座を守り続けてきた。しかし、メモリ価格が2017年後半も下落しなければ、Samsungが年間売上高でもIntelを抜く可能性が高くなる。おそらく両社の2017年通期売上高は600億ドルが目標となっているとIC Insightsでは見ている。

表2 世界半導体企業の売上高ランキング・トップ10の変遷(ファウンドリを除く)。(1)はファブレスを示す注釈。表の上段から、西暦(年)トップ10社の企業名、トップ10社の売上高合計額(単位:10億ドル)、世界半導体市場売上高総額(単位:10億ドル)、トップ10社売上高合計の世界半導体市場売上高総額に占める割合(%) (出所:IC Insights)

なお、今回のIC Insightsの発表について韓国では、Samsungグループ創業者の故イ・ビョンチョル氏が1983年に半導体産業への進出を宣言してから34年目にして、同氏の夢がいよいよ実現する可能性が出てきたと報じられている。