シアターコクーン・オンレパートリー2017「妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』」フォトコールより。写真中央、中川翔子。

手塚治虫原作による「妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』」が、本日5月7日に東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕。これに先駆け、舞台のシーンの一部を上演するフォトコールが行われた。

「上を下へのジレッタ」は1968年より週刊漫画サンデー(実業之日本社)にて連載。業界を追われたテレビディレクター・門前市郎が、誰でも体験できるバーチャルリアリティの世界“ジレッタ”を発見したことから起こる大騒動を描く。初の舞台化となる本作は、歌とダンスを取り入れた“妄想歌謡劇”として上演され、関ジャニ∞の横山裕が主演を務めている。

フォトコールで公開されたのは、横山が演じる自称天才テレビディレクター・門前市郎と、本仮屋ユイカ演じる門前のブレーン・間リエが登場する1幕2場。テレビ業界を追われた門前が身辺を一新しようと、契約結婚していたリエに離婚を持ちかける場面だ。横山は野心家なダークヒーロー・門前を自信たっぷりかつミステリアスに演じる。本仮屋は一方的な門前に振り回されながらも世話を焼くリエをクールな演技で表現した。

続いて、物語の終盤となる2幕8場を公開した。銀粉蝶が演じる塩釜栄子首相に、荒唐無稽な妄想によって作られた“ジレッタ”を初披露する場面で、竹中直人演じる“ジレッタ”のスポンサーとなった会社社長・有木足もステージに。塩釜と有木は共に椅子に腰かけ、ヘッドホンを装着し“ジレッタ”の世界を体験する。

“ジレッタ”の中の妄想世界は歌とダンスで表現。中川翔子が演じる小百合チエ、浜野謙太が演じる山辺音彦が楽しげに歌い踊ったかと思えば、舞台奥から横山が和装のダンサーを従えて登場し、自らを追放した芸能界への復讐を企てていく。さらに馬場徹、小林タカ鹿、玉置孝匡ら個性豊かなキャスト陣によって、“妄想歌謡劇”が繰り広げられた。

フォトコール前には横山、中川、浜野、本仮屋による囲み取材が行われた。歌いながら芝居をするのが初めてだったという横山。畑違いの出演者が多い今回の舞台を、「魅力的な出演者の方が揃ったなと。それぞれ登場シーンで歌うんですけど、その歌い方もカラーが違いますので、楽しんでいただけたらと思います」と話した。また稽古中の苦労を問われると「ボイトレを2カ月やったんですが、ティッシュ箱を頭に乗せて歩きながら歌ってたんです。これ意味あるのかな? と思いながらやってましたね(笑)」と笑顔で振り返る。そんな横山について、中川は「原作マンガの門前が乗り移ってるようで、幕が開いた瞬間からギラギラして、すごいオーラでした」と絶賛。「横山さんはこの作品の大黒柱でありボスでありリーダーであり、もうゼウスのような存在です!」と中川らしい言葉で褒めちぎる。

また在日ファンクのボーカルでもある浜野も「キャストやスタッフのみんなが横山さんに支えられてた」と、座長として頼りになったと横山を賞賛。続く本仮屋も「スタッフさんと共演者の橋渡しまでしてくださって、本当に目がいくつあるんだろうって思います」と語る。これを受けた横山は「こんなに褒められることないんで、関ジャニのメンバーが見てたら恥ずかしいですわ」と照れくさそうに返した。

さらに稽古中もジムで肉体づくりをしていたという横山に対し、浜野は「横山くんは裸で楽屋に来るのをやめてほしい。肉体を見せびらかしてくるんですよ」という裏話を披露し、2人の仲のよさをうかがわせた。そしておととい5月5日に中川、明後日5月9日に横山が誕生日であることから、サプライズでバースデーケーキが登場したエピソードも語られ、座組の雰囲気のよさを垣間見せた。

最後に横山は「畑も歌い方も違うバラエティ豊かな出演者たちが、舞台上でしか起きない化学反応を絶対起こすと思いますので、ぜひ楽しんでください!」と、改めて舞台への思いを語り、観客に呼びかけた。公演は6月4日まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて、6月10日から19日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて行われる。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』」

東京

日程:2017年5月7日(日)~6月4日(日)
会場:Bunkamura シアターコクーン

大阪

日程:2017年6月10日(土)~19日(月)
会場:森ノ宮ピロティホール

キャスト

原作:手塚治虫
脚本・演出:倉持裕
音楽:宮川彬良
出演:横山裕、中川翔子、浜野謙太、本仮屋ユイカ、小林タカ鹿、玉置孝匡、馬場徹、銀粉蝶、竹中直人ほか