帝国データバンクはこのほど、「新規株式上場(IPO)意向調査(2017年)」の結果を発表した。調査期間は3月7日~21日、分析対象は同社の「企業信用調査」でIPOの意向が「ある」と回答した272社。

地域別、「東京」が全体の4割

IPOの意向を持つ企業属性を業種別にみると、「サービス業」が48.5%(132社)でトップ。このうち最も多いのは「情報サービス業」で全体の20.6%(56社)を占めた。このほか、「製造業」が19.5%(53社)、「卸売業」が14.3%(39社)、「小売業」が6.6%(18社)などとなった。

業種別(前年比較) 帝国データバンク

前年と比較すると、「サービス業」は0.2ポイント減、「情報サービス業」は1.7ポイント減、「卸売業」は1.2ポイント減となったのに対し、「製造業」は0.5ポイント増、「小売業」「農・林・水産業」は各1.1ポイント増などとなった。

本社所在地域別にみると、「関東」が51.5%(140社)で最多となり、このうち「東京都」は全体でも40.1%(109社)を占めた。このほか、「近畿」が18.4%(50社)、「九州・沖縄」が7.4%(20社)などとなった。

前年比は、「関東」が5.3ポイント減、「東京」が6.4ポイント減。他方、「甲信越・北陸」は2.5ポイント増、「近畿」は2.9ポイント増となり、「東京への一極集中がやや和らいだ」(同社)。

IPOの目的を聞くと、「知名度や信用度の向上」が最も多く72.1%(196社)。以下、「優秀な人材の確保」が68.8%(187社)、「資金調達力の向上」が52.9%(144社)と続いた。

IPO予定市場は、「東証マザーズ」が59.2%(161社)でトップ。帝国データバンクによると「マザーズへのIPOを予定する企業の割合は年々増加している」という。