NTTビズリンクは4月17日、スマートグラスを同社の多地点映像通信基盤に接続し、遠隔での現場作業支援や現場作業映像の録画、ハンズフリーでの作業者とのコミュニケーションなどを実現するサービスとして「スマートグラスクラウド」提供開始した。

サービスの提供イメージ

近年、工事や点検などを行う現場における作業を遠隔で支援するツールとして、ウェアラブル・デバイスの利用の注目度が高まっており、支援の形態も1つの現場に対して本部や設計事務所、パートナー企業など複数のロケーションから行うといったニーズの多様化も顕在化しているという。

同社は「現場における作業者の目線」映像を捉えることができるスマートグラスに着目し、スマートグラスを介し現場での映像を複数拠点でシェアしたり、現場作業員と本部スタッフ双方向で映像/音声のコミュニケーションを実現したりすることが可能なクラウドサービスとして、同サービスを自社開発し、提供を開始する。

現場作業員の利用イメージ

本部スタッフの利用イメージ

同サービスの特徴として、「現場の映像を複数ロケーションで共有・相互コミュニケーション可能」「屋外現場など不安定なモバイル通信環境でも安定したコミュニケーションの実現」「TV会議端末を含む多様なデバイスとスマートグラスとの接続」「現場作業を支援する機能の充実」「サービス利用型のため初期投資を抑えつつ利用拡大にもスムーズに対応」の5点がある。

映像の共有および相互コミュニケーションに関しては、多地点映像通信基盤とスマートグラスを接続することで、複数の拠点からリアルタイムで指示を出しやコミュニケーションを行うことが可能となり、遠隔での作業支援業務をさらに効率化できるとしている。

安定したコミュニケーションについては、パケットロス耐性が強いというH.264/SVCコーデックを搭載し、帯域に合わせて解像度やフレームレートを最適化して実現するという。

多様なデバイスとの接続に関しては、スマートグラスとのコミュニケーションはPC/タブレット/スマートフォンといったマルチ・デバイスでの対応が可能であり、オプションでテレビ会議端末との接続もできるため、現場映像を会議室に設置しているテレビ会議を介して多人数で共有したいというニーズにも応えられるとしている。

現場作業を支援する機能については、単に現場の映像を本部側に届けたり相互の会話を可能にしたりするだけでなく、現場映像の録画や、現場映像を本部側でキャプチャして一部をマーキングして瞬時に現場作業者に送信、現場作業員のグラスにマニュアルの表示、チャット・メッセージを送信など、現場作業員を遠隔で支援するツールを用意している。

初期投資の抑制と利用拡大への対応に関しては、サーバを自社構築する場合のような初期投資は不要で、月額支払い型サービスのため、小規模の利用から始め、効果や利用頻度に合わせて拡大していくことができるとしている。

価格は、初期費用が基本工事費として10万円(税別)、月額費用が1ユーザーID当たり1万8000円(同)となる。