富士通は4月13日、同社のメインフレームである「FUJITSU Server GS(フジツウ サーバ ジーエス)21シリーズ」上の資産の利用拡大に向け、メインフレーム連携ソフトウェアにおける機能強化及び新オプション品の追加を行い、6月上旬から順次提供すると発表した。

メインフレームとSoEの連携イメージ

Webブラウザからメインフレーム業務を実行するための「FUJITSU Software WSMGR for Web(フジツウ ソフトウェア ワークステーションマネージャー フォー ウェブ、WSMGR for Web)」では、REST(Representational State Transfer) APIに対応し、メインフレームとWebアプリケーションを連携させた新サービスを、既存の基幹業務に手を加えることなく容易に実現可能にするという。

また、メインフレームとオープンシステム間におけるデータベース連携を行う「FUJITSU Software Linkexpress Transactional Replication option(リンクエクスプレス トランザクショナル レプリケーション オプション、Linkexpress TRO)」では、最新OSSデータベースへの対応を行い、SoE(システム・オブ・エンゲージメント)で利用が進んでいるというOSSとの連携を強化する。

これにより、同社メインフレーム上のデータやアプリケーションといった基幹システム(SoR、システム・オブ・レコード)資産を、オープンシステムやクラウド・システムなどデジタル革新を行うシステム(SoE)から従来以上に容易に利用可能になるとしている。

WSMGR for WebにおけるREST APIへの対応では、REST APIを自動生成するオプション製品である「WSMGR for Web APIサポート」を新規に提供する。使用料は13万円(税別)から、提供開始時期は2017年6月上旬。

今回のREST API対応により、従来の基幹業務のソフトウェア資産に手を加えずに、メインフレームとSoE上のWebアプリケーションを連携させた新サービスが容易に実現可能になるという。

例えば、工場内の材料や出荷物を感知するセンサーと、メインフレーム上の受発注システムや在庫管理システムを連携させることで、製品受注実績・需要予測に基づく材料発注や、出荷実績に基づくリアルタイムな在庫管理といった、高度な生産管理を実現するとのこと。

また、流通業においては、メインフレーム上に蓄積した個人消費者の購入履歴データを利用して、推奨商品をECサイトに表示したり、提案に最適な時期や商品を営業担当者に通知したりといったデジタル・マーケティング強化など、ユーザー企業の新しいビジネス価値の創出が可能になるとしている。

Linkexpress TROでは、「FUJITSU Software Enterprise Postgres(エンタープライズ ポストグレス、Enterprise Postgres)」対応を行ったという。

Enterprise Postgresは、 OSSのデータベースであるPostgreSQLに同社の独自機能を追加し、信頼性・セキュリティ・性能を強化したデータベース。

Linkexpress TRO(Windows版) V5.0 L71の使用料は53万1000円(同)から、提供開始時期は2017年7月上旬。Linkexpress TRO(Linux版) V5.0 L71の使用料59万2000円(同)から、提供開始時期は2017年10月上旬。

現在SoEでは、日々変化するデジタル技術や顧客ニーズへの対応を可能とするために、迅速な機能強化が行なわれるOSSの利用が進んでいるという。

今回、メインフレームとOSSデータベースとの連携を強化させることにより、ユーザー企業のビジネスにおけるSoRとSoEとの連携強化を実現するとしている。