Veeva Japanは、製薬業界向けのCRMシステム「Veeva CRM」の定期バージョンアップ(17R1)を、4月8日に行うと発表した。

Veeva CRMは、製薬業界に特化したクラウドベースのCRM機能と、CLM(Closed Loop Marketing)の機能が融合された、CRM+CLM一体型のソリューション。また、アドオンソリューションとして、MRがコンプライアンスを維持しながら、メールを送信できる「Approved Email」や、医療従事者がWeb上で、いつ・どのようなコンテンツを閲覧したか把握ができる「Engage for Portals」などを提供している。マルチディバイスにも対応しており、PC、タブレットやiPadでのオフライン利用も可能だ。

今回実行する17R1のアップデートでは、テリトリー内のインサイトを可視化し、MR/メディカル/KAMを支援する、データビジュアライゼーション・ツール「MyInsights」の機能提供を開始するほか、日本のユーザーから要望の強かったApproved EmailのBCC送信の実現、さらにクローズドループマーケティング機能が製薬協のガイドラインに準拠して、柔軟なデジタルプレゼンテーションができるようになるなど、多くの機能追加を行っている。

MyInsightsは、Veeva CRMに組み込まれた現場MR/MSL向けのデータビジュアライゼーション・ツール。現場ユーザー自身がCRMに集積されるさまざまな行動データを、より視覚的なレポートとしてMyInsights上で参照できる。さらには、HTML/JavaScriptフレームワークを活用し、各社にてレポートUIをカスタマイズする事が可能となり、Veeva CRMを活用する現場のユーザーに対して、アクションに繋がるインサイトをこれまで以上に柔軟に提供するという。

今回のバージョンアップにより、Approved Emailの送信時に、BCCでの送信先設定が可能となる。日本ユーザーから特に要望の高かった機能であり、BCCの宛先に送信するMRの上司や本社企画部門を追加し、送信状況を社内で可視化する事もできる。また、コプロ先の担当者をBCCに追加する事で、同一医師に対して活動している担当者同士の情報共有にも使える。

また、Vault PromoMatsおよび、MedCommsにて、Approved Emailのテンプレートを事前検証することが可能になる。Vault PromoMats/MedCommsで作成したテンプレートを受信者側でどのように表示されるのかを事前に確認できる。こちらのプレビュー機能は複数のメールクライアントに対応している。

CLMのマイプレゼンテーション機能は、ユーザーが任意にプレゼンテーション構成を組み替える事ができる機能。Veeva CRMでは、前回バージョンアップ時に、コンプライアンス遵守の観点から、組み替えを行ったそれぞれのスライドに対して、「必須スライド自動追加」「必須スライドの並び替え」「スライド削除の制御」「重複排除」といったエンハンスを実現している。

同時に、本社側でのマイプレゼンテーション機能で必須スライドを自動表示させない仕様を盛り込んでおり、現場MRがマイプレゼンテーションで変更を行った場合も、オリジナルのスライド構成を本社側では確保する事が可能となった。