SAS Institute Japan 代表取締役社長の堀田徹哉氏

SAS Institute Japanは2月16日、2017年度のビジネス戦略発表会を開催した。発表会では、代表取締役社長の堀田徹哉氏が2016年のビジネス総括、2017年度のビジネス戦略、今後の製品/ソリューション展開について説明を行った。

堀田氏は、2016年度の業績として、単体ソフトウェアの収入の成長率が前年比で19%増となり、米国と英国に続いて日本が世界第3の市場に躍進したことを紹介した。2016年度のビジネスのハイライトとしては、金融エリアの前年比54%増の成長、製造エリアの前年比21%増を挙げた。

金融エリアでは「SAS Fraud Solution」による金融規制対応業務の高度化が進み、また、製造エリアでは「SAS Analytics for IoT」によるIoTのイノベーションが進んだという。特に製造業は「カギとなる案件を占めるようになってきた」と堀田氏。

SAS Institute Japanの2016年のビジネスのハイライト

堀田氏は、同社の成長の原動力について「インダストリー」「ソリューション」「イノベーション」「エコシステム」のキーワードの下、説明した。

インダストリーに関しては「金融」「製造・ユーティリティ」「流通・サービス」「医療・製薬」について成長戦略を策定している。「製造業はグローバル展開が多いため、SASが成長する上でのカギとなる。また、流通・サービス業においては、AIを活用した需要予測を行うなどの新たなソリューションが期待される」(堀田氏)という。

2017年のインダストリーを軸にした成長戦略

ソリューションについては、「Customer Intelligence」「Risk Management」「Fraud & Security Intelligence」「Advanced Analytics/Data Management」に関わる製品をコアとしてビジネスを進めていく。クラウド型のデジタルマーケティングソリューション「SAS Customer Intelligence 360」は昨年世界で初めて日本の顧客が稼働をスタートし、注目を集めたとのことだ。

2017年のコア・ソリューションに関する戦略

イノベーションに関する2017年のテーマは「リアルタイム化と自動化」「AIアナリティクス」「システム連携/APIエコノミー」「オープン・イノベーション」となる。堀田氏は「イノベーションの質が変わるとともに、テーマが多岐にわたり、高度化してきているので、対応していきたい。また、今後は複数の企業によるイノベーションが進むだろう」と、イノベーションに関する見解を語った。

続いて、同社がイノベーションを実現するためのアナリティクス・プラットフォームとして昨年4月にリリースした「SAS Viya」が紹介された。SAS Viyaは、CAS(Cloud Analytics Services)と呼ばれるインメモリエンジンとマイクロサービスから構成されており、機械学習、テキスト解析、画像処理といったAIが搭載されている。

堀田氏は、同プラットフォームの特徴について「ストリーミングデータ、クラウド上のデータ、Hadoop上のデータ、データベース上のデータとあらゆるタイプのデータを扱うことができる。また、SASのさまざまなアプリケーションからViyaを利用できるほか、SAS以外の言語からも直接開発できるので、拡張性が高い。なお、Viyaは顧客と共にわれわれにも革新を促すソリューションであり、自己変革も2017年のテーマの1つとなる」と語った。

SAS Viya上で稼働する製品として、「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」「SAS Visual Investigator」が2016年にリリースされたが、2017年も新製品のリリースが計画されている。

SAS Viyaの仕組み

SAS Viyaのロードマップ

成長の原動力の4つのキーワードとなる「エコシステム」については、従来のSIerやリセラーに加えて、デベロッパー、コンサルティング・ファーム、アナリティクス・サービス・プロバイダーにまで広げていく。

また、同社に対する顧客からの期待値の変化を踏まえ、新たなユーザーコミュニティを形成する。新たなユーザー・コミュニティ「産業ユーザー交流会(仮称)」は顧客同士の交流を深めることで、イノベーションにつなげていくことを目的としている。

そのほか、データサイエンスに関する人材から見たエコシステムについても、育成と採用を支援することで、強化していく。