BeatsXは、音の満足度や音漏れの軽減、バッテリーライフなど、いずれも十分な性能を発揮してくれる製品だと評価できる。ただ、できれば、AirPodsに触れる前にレビューしたかった、と悔やまれる。

iCloudアカウントを活用した複数デバイスとのペアリングと切り替え以外は、ワイヤレスヘッドホンの体験は従来の製品と大きく変わらなかった。すなわち、電源ボタンを長押しして起動し、使い終わったら電源を切らなければならない、というものだ。

電源ボタンにインジケータがついているが、首にかけっぱなしであれば当然見ることができない。AirPodsのように、ケースから取り出して耳に入れれば電源が入る仕組みを経験してしまうと、ついBeatsXでも電源Offの状態で耳に入れて、音楽を再生し始めてしまい、iPhoneのスピーカーから音が出てしまう、ということが何度かあった。

AirPodsは、ケースとセンサーによって、電源操作を自動化している。BeatsXを通じて、ワイヤレスオーディオにおけるAirPodsの革新性は電源操作をなくしたことにあることに気づいた。それは、自動電源操作が採用されていないBeatsXに煩わしさを感じてしまう原因でもあった。

ちなみにBeatsXのバッテリー持続時間は前述した通り8時間なので、例えば昼間や外出中は電源を入れっぱなしにしておく、というのも手かもしれない。